[ベルリン 31日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が31日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比2.4%上昇と伸びが加速し、欧州中央銀行(ECB)の物価目標である「2%を下回るがこれに近い水準」を一段と上回った。市場予想は2.5%上昇だった。
4月は2.1%上昇していた。
ユーロ圏のインフレ率は財政支援や原油価格の回復を背景にここ数年間で最も速いペースで2%に近づいており、一部ではインフレ新時代の到来を予測する声が出ている。ただ、欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事は労働市場がパンデミック(世界的大流行)前の水準に回復するには数年かかるなどとして、このような見方を否定している。
ベレンベルグのエコノミスト、ホルガー・シミーディング氏は「ECBがインフレ率の短期的な変動に動揺することはなく、政策正常化は緩やかなものになるだろう」と述べた。
次回のECB理事会は6月10日の予定。