[20日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は20日、感染力の強い新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」が経済に与える影響を注視しており、経済成長が大幅に鈍化するようであれば、金融政策に関する自身の見解を「多少」調整することもあり得るという考えを示した。
FOXビジネス・ネットワークとのインタビューで、外食などの消費活動には「今のところ重大な影響はない」としながらも、企業間で職場復帰を遅らせる動きが見られるほか、感染への恐れから雇用環境にも影響が出ていると指摘。さらに、生産量を阻害する恐れもあると警告した。
これとは別にテキサス工科大学のオンラインイベントで、自身の米経済見通しについて、現時点では変更はないと表明。今年の経済成長率は6.5%、年末時点の失業率は4.5%近辺になるとの見方を示した。
物価については、個人消費支出(PCE)価格指数が3.8%近辺で推移すると予想。来年は2.5%近辺に低下するとしながらも、FRBが目標とする2%はなお上回るとした。
その上で、経済が自身の予想通りに展開すれば、テーパリング(量的緩和の縮小)を9月に発表し、実際の縮小を10月に開始する計画を引き続き支持すると述べた。
ただ、感染力が強いデルタ変異株の動向に注意する必要があるとし、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)まであと1カ月あるのは幸いだと述べた。
このほか、連邦準備理事会(FRB)は最終的に独自のデジタル通貨(CBDC)発行するとの見方を表明。「FRBは積極的に取り組みを進めており、最終的に開発される理由はあると考えている。中国はすでに実証実験を実施している」と述べた。ただ、FRBは現在、銀行に対する影響などを調査しており、決定はかなり先のことになると語った。