[シドニー 28日 ロイター] - ニュージーランド政府は28日、過熱する住宅市場の沈静化に向けた法案を公表した。不動産の投資家に住宅ローンの利子の課税所得からの控除を認めないことが盛り込まれている。
ロバートソン財務相は、同法案について、1軒目の住宅購入者のために既存住宅市場の公平性を高めることになると説明した。
ニュージーランドは大規模な景気刺激策と歴史的な低金利に加え、新型コロナウイルスの感染抑制に成功していることもあり、海外から帰国した国民や投資家が不動産に投資し、住宅価格が賃金の伸び以上に上昇してきた。
政府は今年3月、住宅価格の高騰抑制に向け、投資家を対象とした税制措置や住宅供給拡大など一連の対策を発表した。
不動産投資家に対し、住宅ローン利子の控除を認めない措置は一連の対策の一環で、10月1日から施行する。
今年3月27日以降に購入した物件が対象。3月27日より以前に購入した物件については、10月1日から2025年3月31日にかけて段階的に控除額を減らしていく。
主な住居となっている物件や新築物件は対象外。
ロバートソン財務相は「税金は、住宅問題の原因でも解決策でもないが、効果はある。これが政府の総合対策の一つだ」と表明した。
野党・国民党は、今回の措置について、価格の抑制ではなく、家賃の上昇につながると批判している。
8月の住宅価格は前年同月比で26%近く上昇。住宅購入のしやすさは、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最低となっている。