[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は7日、FRBが気候変動による銀行への影響を精査する取り組みを推進する必要があり、気候変動に関するシナリオ分析がリスク見極めの重要なツールになるという認識を示した。
ブレイナード理事は講演原稿で、銀行が直面する気候変動リスクの適切な評価に向け、規制当局はデータ不足を補い、新モデルを策定するなど「多大な作業」に追われていると指摘。FRBは初期の分析に「謙虚」となり、リスク見極めに向けた基盤を構築すべきと述べた。
気候リスクのモデル化や予測における固有の課題も指摘。FRBが過去に策定した銀行のストレステスト(健全性審査)では、過去のデータに基づくシナリオの下、リスクを評価することが可能であったのに対し、「気候変動に関するシナリオ分析は、実質的な不確実性に関連する妥当かつ新たなリスク双方を考慮しなくてはならないという課題がある」と述べた。