[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は7日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置いた。インフレ率は他の多くの国より低水準にあるとの認識を示し、金融政策を忍耐強く運営する用意があるとした。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の出現については、新たな不確実要素だが、景気回復の腰折れにはつながらないとの見方を示した。
インフレ率は加速しているが、多くの先進国の伸び率をなお下回っているほか、賃金上昇の勢いを踏まえると、緩やかな物価上昇が続くとみられている。
ロウ総裁は「理事会は目標達成に向け、非常に緩和的な金融状況を維持する決意だ」と表明。「達成にはいくらか時間がかかる見通しで、理事会は忍耐強く対応する用意がある」と述べた。
中銀は先月、国債利回りを低く維持する目標を廃止、大半の市場参加者にとってサプライズとなった。今回の理事会でも国債買い入れ策の早期終了を示唆し、政策をさらにシフトさせるとの観測が一部であった。
実際は、22年2月まで現行ペースで国債購入を継続する方針を維持。2月時点で中銀が保有する国債の残高は3500億豪ドル(2465億1000万米ドル)に達する見通し。
大半のアナリストは中銀が2月に購入ペースを週20億豪ドル(14億1000万米ドル)に半減させ、来年央までに購入を終了すると予想している。ただ、2月に購入を一気に終了する可能性も残る。
一方で中銀は、景気の先行きに強気の見方を示した。新型コロナウイルスワクチン接種率の上昇によりロックダウン(都市封鎖)が解除されたことを踏まえた。
コモンウェルス銀行(CBA)のチーフエコノミスト、スティーブン・ハルマリック氏は、ロックダウンの期間に家計の貯蓄超過が約2400億豪ドル積み上がったとの推計を示し、クリスマス商戦は好調になると予想した。