[ベルリン 14日 ロイター] - 独IFO経済研究所は14日、持続的な供給制約と新型コロナウイルス流行第4波がドイツ経済の回復をさらに遅らせているとして、2022年の成長率予測を9月時点の5.1%から3.7%に引き下げた。
ドイツ経済について、今年第4・四半期に前期比で0.5%縮小し、来年第1・四半期には停滞すると予想。2023年については、成長率見通しを従来の1.5%から2.9%に引き上げた。
IFOのチーフエコノミスト、ティモ・ボルマーショイザー氏は「進行中の輸送ボトルネックとコロナ第4波がドイツ経済を顕著に減速させている」と指摘。「当初予想されていた2022年の力強い回復はさらに後ろ倒しになりそうだ」と述べた。
また、今年の成長率については既に下方修正した2.5%で据え置いた。
消費者物価指数(CPI)上昇率は今年3.1%、来年3.3%になると予想。いずれも欧州中央銀行(ECB)のユーロ圏全体の物価安定目標である2%を大きく上回っている。
ボルマーショイザー氏は「輸送ボトルネックに伴うコストの上昇がけん引役となっている。また、エネルギーや原材料の価格上昇に対する調整の遅れも影響する」と述べた。
23年にはインフレ率は正常化し、1.8%に落ち着くと予想した。
IFOのクレメンス・フュースト所長はECBに対し16日の理事会でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了を発表するよう要請。「企業は大幅な値上げが迫っているという非常に強いシグナルを発している」と述べた。
ドイツ経済省も同日発表した月報で、今年の第4・四半期の経済生産は「かなり弱い」ものになると予想。ドイツは感染第4波を抑制する新たな制限措置に直面しているため、サービス業の活動が鈍化する可能性が高いほか、自動車業界を中心とする半導体に関する供給上のボトルネックが製造業の妨げになるとした。ただ、受注残が多いため、ドイツの輸出には前向きな見通しを示した。