[ウェリントン 16日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が16日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比3.7%減少し、過去2番目に大きな落ち込みとなった。新型コロナウイルスのデルタ株拡大が響いた。
ロイターがまとめた予想(4.5%減)ほど悪化しなかった。NZ準備銀行(中央銀行)は7.0%減を見込んでいた。
前年比では0.3%減。予想は1.6%減だった。
GDP発表を受けたNZドルはほぼ変わらず。一時0.6780米ドルを付け、その後も上昇を維持した。
最大都市オークランドはデルタ株拡大により第3・四半期の大半でロックダウン(封鎖措置)され、企業などが約100日にわたり営業を停止。統計局は小売業、製造業、建設業、娯楽業がロックダウンで最も影響を受けたと指摘した。
8月にオークランドでデルタ株感染が発生するまで、NZは感染抑制に成功し、経済も力強く回復。中銀は景気過熱の懸念から、11月に2会合連続の利上げを行った。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベン・ウディ氏は、コロナ規制が徐々に緩和されており、第4・四半期は活動が回復すると予想。「第3・四半期の落ち込みが中銀の予想よりかなり小さかったことを考えると、きょうのデータで追加利上げに対する市場期待が高まるだろう」と述べた。