[オスロ 16日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は16日、政策金利を予想通り0.25%から0.50%に引き上げた。
追加利上げを来年実施する公算が大きいとの見通しも示したが、新型コロナウイルスの流行とオミクロン株の出現の影響に左右されると指摘した。
利上げは過去3カ月で2度目。ロイター調査では、エコノミスト22人中20人が利上げを予想していた。中銀も12月に利上げする方針を示していた。
オルセン総裁は声明で「新型コロナの行方と経済への影響についてはかなりの不透明感がある。ただ、経済がほぼ予測通りに推移すれば、政策金利は3月に引き上げられる可能性が最も高い」と述べた。
ノルウェークローネは0944GMT(日本時間午後6時44分)現在、1ユーロ=10.13クローネに上昇。中銀の発表直前は10.20クローネだった。
中銀は、新型コロナが経済に及ぼす潜在的な影響のリスクについて討議したと強調。追加の行動制限措置が必要になり、来年春にかけて経済活動が縮小すれば「追加利上げが延期される可能性がある」と表明した。
ノルウェー経済の年初からの回復を受け、中銀は9月に利上げを開始。コロナ禍以降に最初に利上げを行った中銀の1つとなった。
一方、政府は今週、オミクロン株の感染拡大を抑えるために、バーやレストランでの酒類の提供禁止を含む制限を導入した。
中銀は、生産能力の制約と根強い国際的な物価圧力を背景に国内の賃金と物価が予想以上に上昇する可能性があることも懸念していると表明。
「高インフレが続く見通しになれば、政策金利をより早期に引き上げる可能性がある」と指摘した。
中銀はコロナ流行の影響を和らげるため、2020年に3回の利下げを実施。金融政策委員会はこの日の会合で、来年に3回の利上げを行うことを改めて示唆した。主要政策金利は1.25%に達する見通し。
DNBマーケッツのチーフエコノミスト、シャスティ・ハウクラン氏は「ノルウェー経済にとって、緊急時の金利の必要性は低下しているとのメッセージを中銀は送った」と分析した。