[メキシコ市 16日 ロイター] - メキシコ中央銀行は16日の金融政策決定会合で、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、5.50%とした。市場予想は25bp引き上げだった。
インフレ率上昇抑制に向け、5回連続の利上げに踏み切った。
メキシコの11月のインフレ率上昇は予想以上に加速し、2001年初め以来の高水準となる7.37%を記録した。
メキシコ中銀のインフレ目標は3%で、上下1%ポイントの許容範囲を設定している。
5人の政策委員のうち4人が50bpの利上げ、一人が25bpの利上げを提案した。
中銀は、米連邦準備理事会(FRB)が14─15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)加速を決定し、利上げの下地を整えたことに言及。他の新興国も金融引き締めに動いているとの認識を示した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ニヒル・サンガーニ氏は、メキシコ中銀は「インフレに厳しく対処し始めた」と指摘。中銀は今回の50bpの利上げにあたり「この機会は」と断っていることから、積極的な引き締めは実施しないとの見方を示しながらも、「FRBのタカ派化に加え、インフレ見通しが懸念されることから、政策委員の大半がより大きな幅での利上げを推し進めるだろう」と述べた。
こうした見方から、サンガーニ氏は来年は合計200bpの利上げが実施され、政策金利は7.50%と、従来見通しの6.00%を上回るとの見通しを示した。
今回の政策決定会合はディアスデレオン総裁にとって最後。年明けにはビクトリア・ロドリゲス氏が新総裁に就任する。