[ワシントン 17日 ロイター] - イエレン米財務長官は17日、財務省は人種間の経済格差是正に向けて過去1年間対策を講じてきたが、「まだまだ多くの作業」が残されているとの認識を示した。
公民権活動家のアル・シャープトン師が主催した会合で述べた。
長官は、公民権運動の黒人指導者マーチン・ルーサー・キング牧師が1963年に行った演説「私には夢がある(I have a dream)」に言及。牧師が訴えた経済格差是正に財務省は取り組んでいると述べた。
「(キング牧師は)経済的な不公平がより大きな不公平につながることを認識して、戦った。(南北戦争後の)再建期やジムクロウ(人種隔離政策)の時代から今日に至るまで、米国経済が黒人やあらゆる有色人種に対して公平であったことは一度もない」と発言。
財務省は過去1年で、かつてないほど多様な指導部を設置し、省内初の人種平等カウンセラーを起用するなど、対策を進めてきたが、「人種間の資産格差の是正に向けて、財務省に必要な仕事はまだまだ残されている」と述べた。
連邦準備理事会(FRB)のデータによると、米国では2019年の時点で人口の60%を占める白人世帯が国内資産の85.5%を所有。黒人世帯は4.2%、ヒスパニック系世帯は3.1%だった。