[イスタンブール 27日 ロイター] - トルコ中央銀行は年末のインフレ率予想を従来の11.8%から23.2%に引き上げた。カブジェオール中銀総裁は一連の利下げがインフレ高進やリラ下落をもたらしたとの意見を否定した。
カブジェオール総裁は記者会見で、中銀の独立性に関する質問に、政策はデータに基づき決定すると述べた。
中銀は昨年9月以降、政策金利を500ベーシスポイント(bp)引き下げ14%とした。リラは先月、1ドル=18.4リラの最安値を付けた後、急回復している。
リラ安でインフレが急加速。ロイター調査では今後数カ月で50%に接近し、年末は27%程度と予想されている。
中銀は先月36%だったインフレ率が低下し年末は中央値で23.2%と予想。インフレ率は1月に50%に近づき、5月には約55%でピークを迎え、第3・四半期に急低下するとの見通しを示した。23年末は8.2%、24年末は中銀目標の5%まで下がるとみている。
テラ・ヤティリムのチーフエコノミスト、エンバー・エルカン氏は、食料とエネルギーの価格変動により、インフレ率は中銀予想を上回るリスクがあると述べた。
カブジェオール総裁は、中銀はエルドアン大統領が昨年打ち出した新たな経済計画を支持すると表明。金融システムにおけるリラの割合を拡大させることで物価の安定を達成するとした。
また、リラ安は利下げに関係なく起こったとの見方を示したほか、インフレ高進は利下げだけが原因でなく、物価上昇圧力の大半は世界的な供給問題によるものだと指摘。「われわれは為替相場に対処した。政策でインフレにも対処することが神の意思だ」と述べた。