[東京 25日 ロイター] - 公明党の山口那津男代表は25日、エネルギーや穀物など物価上昇への対応策として、緊急的な提言を28日に出すことを明らかにした。2022年度補正予算も視野に入れて対応するべきとの表現を盛り込む考えも示した。ロイターとのインタビューで語った。
山口代表は、すでに昨年から「供給不足による物価上昇は世界中で起こり、インフレ気味になっている。その影響が日本にも及んでいる。それにウクライナ情勢がプラスされる」との見解を示した。
ウクライナ危機が長期化するかもしれないという見方もあるとし、「今後、予断を許さない経済への影響がでてきた場合、今あるものでは足りないかもしれない。補正予算も視野にいれながら対応すべしということも提言に盛り込む」と述べた。
岸田首相は29日にも関係閣僚に対し、物価高対策の策定を指示する見通し。公明党は、政府の対策に同党の提言案を反映させるよう働きかける。
公明党の緊急提言には、現在実施中の燃料価格の高騰を抑える「激変緩和措置」の拡充・延長も盛り込む方針。また、ガソリンにかかる税金の一部を一時的に引き下げるトリガー条項の凍結解除については、自民・公明・国民民主党の間での実務者協議の結論に基づいて対応すべきとの提言も含まれる方向だ。
賃上げに関して、山口代表は、中小や零細企業など税制や補助金を活用しても賃金上昇に結びつかないようなところに対して、政府として「セーフティ―ネットや他の制度との関係を含めながら検討してもらいたい」と述べた。
一方、為替市場で日米の金利差拡大観測などを受け、ドルが122円台と約6年ぶりのドル高・円安水準を付けたことについて、「円安が直ちに経済を弱めていく、あるいは下押しリスクとして顕在化するということは過大に心配しなくていい」との見方を示した。
日銀の金融政策については、コストプッシュ型の物価上昇はあまり良いものではないといわれている、としたうえで、「急に政策を変えて、金利を上げるような方向にもっていくと体力がもたなくなり、かえって力を弱めてしまう」と話した。「まだ、出口を議論したり具体策を実行したりする段階ではないと思う」とした。