[ロンドン 26日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が26日発表した2021/22会計年度(21年4月─22年3月)の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は1518億ポンド(1935億9000万ドル)となり、予算責任局(OBR)が先月示した予測1278億ポンドを約20%上回った。
スナク財務相は、インフレ高進に見舞われる家計や企業を対象とする新たな支援策を打ち出すよう圧力を受けているが、新型コロナウイルス流行による借り入れ急増を受け、財政を立て直したいと表明している。
同相は今回のデータを受け、国民支援にコミットしているとしつつ、2兆ポンド(2兆5500億ドル)以上に拡大した債務残高に取り組むという自身の方針を改めて示した。
OBRは22/23年度の借り入れ計画を約140億ポンド増やし、1620億ポンド弱にするとしている。
ONSによると、3月だけで純借り入れは181億ポンド。ロイター調査によるエコノミスト予想平均192億5000万ポンドは下回った。
ONS高官は21/22年度の上振れについて、モノ・サービスや投資に対する公共支出の増加によるところが大きく、これらは今後修正される可能性が高いと説明した。歳入はほぼOBRの予測通りだったと述べた。
同年度の純借り入れは、新型コロナ流行に伴う経済支援のために平時では最大となった前年度の半分以下。それでも1947年の統計開始以来、パンデミック(世界的大流行)初年度とグローバル金融危機にあった09/10年度に次いで、過去3番目に大きな規模となった。
21/22年度の国債利払いは約700億ポンドで、前年度より80%近く増加した。
ONSによると、国有銀行を除く公的部門の純債務は計2兆3400億ポンドで、GDP(国内総生産)の96.2%に達した。