[27日 ロイター] - 27日のモスクワ市場ではルーブルが上昇。対ユーロで約2年ぶりの高値を記録した。企業の納税が支援要因になるとの見方が出ている。
0831GMT(日本時間午後5時31分)現在、ルーブルは対ユーロで1.1%高の76.00ルーブル。一時約2年ぶり高値の75.9075ルーブルまで上昇した。
対ドルでは1%高の72.82ルーブル。
ロシア国営天然ガス独占企業・ガスプロムは、ポーランドとブルガリアに対し、27日からガスの供給を停止すると通知した。
ベレス・キャピタルは、これについて、地政学的な緊張が高まり、欧州との関係がさらに悪化する可能性があると指摘。地合いに悪影響が及ぶとの見方を示した。
ただ、プロムスビアズバンクのアナリストは、企業の所得税納税が28日に予定されており、ドルが対ルーブルで大幅に上昇する展開にはならない可能性があるとの見方を示した。
ロシア中央銀行は29日に主要政策金利を200ベーシスポイント(bp)引き下げ、15%にすると予想されている。国内経済がインフレに見舞われる中、融資拡大を目指す。
利下げでインフレが進行すれば、ルーブルが外部のショック要因に対して一段と脆弱になる可能性もある。
取引は閑散としており、ロシアのウクライナ侵攻前と比べると、やや不安定な値動きとなっている。
ルーブルの値動きは中銀が導入した資本規制により人為的に制限されている。
ロシア株は上昇。ドル建てのRTS指数は2.7%高。ルーブル建てのMOEXロシア指数は2.3%高。