[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は5日、ECBは政策金利をプラス圏に引き上げる一連の利上げの準備を進めているとした上で、正確な利上げ開始時期よりも利上げの道筋が重要との見解を示した。
シンクタンクのブリューゲルに対し「ある時点で一度だけではなく時間をかけ順序だって金利を動かすことになるのは明らかだ」と指摘。利上げの開始時期は重要な問題ではなく、金融政策の正常化に向けた全体的な道筋がより重要であるほか、中立金利の定義も同様に重要だと主張した。
また「マイナス0.5%(の中銀預金金利)は2%の物価目標に合致しない」と強調。「インフレが2%近辺で安定すると想定するなら、マイナス0.5%でもゼロ%でも整合性はない」とし、金融政策を正常化する上で政策金利がプラス圏に回帰するとの見方を示した。
一方、持続的なインフレの必須条件である賃金の伸びがまだ比較的緩やかであることなどから、インフレはオーバーシュートするよりもECB目標の2%前後に落ち着くと予想。ユーロ圏の最近の賃金協定は雇用主や労組が現在のインフレ高進を一時的なものと捉えていることを示していると語った。