[東京 30日 ロイター] - 松野博一官房長官は30日午後の会見で、中国の習近平国家主席が「中国と太平洋島しょ国の運命共同体を構築したい」との書面あいさつを公表したことに関連し、太平洋地域の安全保障環境に影響を及ぼし得る動きについては「懸念を持って注視している」と述べた。
習国家主席は30日、フィジーで開催中の中国と太平洋島しょ国との外相会議でこの書面あいさつを示した。
松野官房長官はこの書面あいさつを承知しているとし、太平洋地域における安保環境の変化につながる動きに強い警戒感を示した。この問題については、岸田文雄首相と他の国の首脳会談でも「取り上げている」と指摘した。
その上で先の日本、米国、インド、オーストラリアの4カ国協力枠組み(クアッド)首脳会議でも確認されたように、太平洋島しょ国を含むインド太平洋の諸国が新型コロナ問題、気候変動、インフラと言った喫緊の課題で地域に具体的な利益をもたらす実践的な協力をさらに進め、この地域をより強靭なものにすることが重要であるとの見解を示した。