[チューリヒ 15日 ロイター] - スイス経済省経済事務局(SECO)は15日、今年の経済成長率予測を2.6%に下方修正した。3月時点の予測は2.8%だった。
ウクライナ戦争、中国を巡る不透明感、食品・エネルギー価格の上昇が背景。
来年の経済成長率予測も2.0%から1.9%に下方修正した。全ての予測はスポーツ行事の影響を除外している。
SECOは「スイス経済は今年、堅調なスタートを切ったが、国際環境の見通しは悪化している。特に世界経済はウクライナ戦争と中国の動向でリスクにさらされている。ウクライナ戦争は従来の予想より深刻な影響を及ぼす可能性がある」と表明した。
「主要貿易相手国ではインフレ圧力の高まりで需要が抑制されており、スイスの関連セクターに悪影響が及んでいる。同時に、中国の思い切った新型コロナウイルス封鎖措置は経済に大きな影響を及ぼす可能性が高い」としている。
SECO幹部によると、ロシアからのガス供給が止まるシナリオでは今年の経済成長率が2.4%に鈍化し、来年はゼロ成長になる可能性がある。
SECOの基本シナリオによると、インフレ率は今年2.5%、来年1.9%の見通し。
ロシアからのガス供給が止まれば、欧州とスイスでエネルギー不足が起きる可能性があり、インフレ高進で消費支出が低迷する見通し。不透明感が広がり、企業投資が減少するという。
政府データによると、スイスがロシアから直接・間接に輸入するガスは全体の47%を占める。