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焦点:政府予算の繰越22兆円、「不用」も過去最大 規模ありきに拍車

発行済 2022-07-05 14:12
更新済 2022-07-05 14:19
© Reuters.  政府は2021年度決算で、本予算や補正予算で計上した22.4兆円を次年度に繰り越す方針だ。使いきれずに「不用」とする予算も6.3兆円と過去最大となる。コロナ禍で規模あり

[東京 5日 ロイター] - 政府は2021年度決算で、本予算や補正予算で計上した22.4兆円を次年度に繰り越す方針だ。使いきれずに「不用」とする予算も6.3兆円と過去最大となる。コロナ禍で規模ありきの財政運営に拍車がかかる現状が、改めて浮かび上がった。

<前年に続く巨額繰り越し>

財務省が21年度決算をきょう発表する。ロイターが確認した概要によると、歳入の柱となる税収が67.0兆円と、昨年末の補正後見込み額を3.1兆円上回る。所得、法人、消費の「基幹3税」が20年度比でそろって増収となり、前年度に続いて過去最高を更新する。

税収が上振れしたことなどから、国債は21年度発行65.6兆円のうち8兆円を発行未済として処理する。過去に例がない規模の減額処理となる。

一方、歳出では22兆円余りの予算執行を22年度に繰り越す。政府は21年度当初予算で106.6兆円の歳出を計上。補正予算では35.9兆円の歳出を追加した。

政府は21年度の補正予算で、感染拡大防止策に加え、事業者向けの復活支援金や資金繰り支援などにも巨費を投じた。21年10月の衆院選で公約化した経済対策との位置付けで緊急性の低い事業も多く含まれ、政府関係者からは「必要なものを積み上げるのが本来あるべき予算の姿」との声が漏れる。

コロナ関連予算が膨らんだ20年度から21年度への繰越額が30兆円を超え、予算執行が滞った側面もある。複数の政府関係者によると、低金利下で使い残した国債費を含め「不用」とした予算も、初めて6兆円を超える。

大和証券の末広徹シニアエコノミストは「危機対応として多めに準備するのは仕方ないが、規模ありきになって実際の執行が熟慮されていない予算も計上されてしまった面もある」と話す。

<求められる実効性>

参院選では、野党各党が「政府の対応は不十分」との立場で足並みをそろえる。

最大の争点となった物価高対策で政府は、電力会社の節電プログラム参加者に2000円相当のポイントを支給する制度をスタートさせるなどの下支え策で「切れ目なく対応する」(岸田文雄首相)構えだ。22年度予算の早期執行や予備費5.5兆円の活用が念頭にある。

一方、20兆円規模のGDPギャップの不足が残る現状に対処するため、与党議員からは「真水50兆円」の追加を求める声が出ている。4―6月期GDPでも内需の柱となる消費回復の足取りが鈍く、企業の投資意欲に力強さを欠けば「対策の上積みを求める声を強めそうだ」(別の政府関係者)との指摘もある。

追加対策の是非判断は「早くて9月になる」(首相周辺)とみられ、首相の諮問機関に近い関係者の1人は「防衛費の増額に加え、環境対応などの予算をどう確保していくかが焦点となる」としている。

物価高対応やコロナ禍で傷んだ国内総生産(GDP)の回復に向けた対応を含め、より実効性の高い施策を積み上げられるかも焦点となる。

(山口貴也、杉山健太郎 編集:石田仁志)

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