[14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は14日、月内の連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の追加利上げを支持すると表明した。ただ、入手されるデータがインフレを低下させるほど需要が減速していない兆候を示せば、「より大幅な利上げに傾く」可能性もあるとした。
ウォラー理事は、FRBが「インフレを目標の2%に低下させることに全力を注いでおり、そうする必要がある」と強調。「私はインフレを低下させ、物価安定の目標を達成する政策に票を投じる」と述べた。
13日発表された6月の米消費者物価指数(CPI)が40年超ぶりの大幅な伸びとなったことを受け、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、今月のFOMCで100bpの利上げが実施されるとの織り込みが進んだ。
ウォラー理事は、CPI統計の結果を踏まえても、7月会合に関する自身の基本シナリオは75bp利上げと強調。そうなれば、FF金利の誘導目標レンジは2.25─2.50%と、自身が中立金利と見なす水準近辺になるという認識を示した。
市場で100bpの利上げ観測が出ていることについて「やや先走っている可能性がある」と指摘。今回のCPI統計を受け、7月の会合でも6月と同様に75bpの利上げを決定するとの自身の予測が固まったとしながらも、これ以上の大幅な利上げにはより多くのデータが必要になるとの考えを示した。
その上で「過度に金利を引き上げることはしたくない」と表明。利上げ幅は75bpでもすでに「大きい」とし、「100bpの利上げをしなかったからと言って、FRBは仕事をしていないと見なさないでほしい」と述べた。
ウォラー理事の発言を受け、先物市場では7月の100bp利上げ確率が低下。しかし、月内に大幅利上げが実施され、その後年内を通じ小幅な追加利上げが続くという予想は維持されている。
7月会合前に発表される小売売上高や住宅関連指標が予想を上回った場合、「より大幅な利上げに傾く」可能性があるとした。
7月以降については指標次第とし、変動の大きい食品・エネルギー価格を除くコアインフレが低下し始めるまでは、追加利上げによって需要を抑制することを支持すると述べた。
その上で、労働市場は非常に堅調で、データからは悪化する兆候も示されていないとし、経済の「軟着陸(ソフトランディング)」は「妥当と思われる」シナリオで、景気後退は回避可能という見解を示した。