[台北 25日 ロイター] - 台湾行政院(内閣)は25日、中国との緊張が高まる中、2023年の防衛予算(特別予算含む)を前年比13.9%増の5863億台湾ドル(194億1000万米ドル)とする案を発表した。6年連続で増額し、過去最高となる。
戦闘機などの装備のための1083億台湾ドルの追加支出や国防部(国防省)向けの特別予算を盛り込んだ。詳細な内訳は公表していない。
防衛予算の増加率は17年以降4%未満に抑えられていたが、一気に2桁の大幅増となった。
特別予算を除く防衛予算の伸び率は12.9%。全体の予算案は20.8%増だった。防衛予算が歳出全体に占める割合は14.6%と、項目別では社会保障、教育・科学・文化、経済発展に続き4番目に大きかった。
国防部は声明で、予算は「敵の脅威」を全面的に考慮したもので、来年の域内総生産(GDP)予想の2.4%相当と説明。「近年の中国共産党による継続的な標的を定めた軍事行動や、台湾周辺の空海域への侵入の常態化に直面し、軍は戦争を求めず力で国家の安全を守る戦争準備の原則を順守する」とした。
蔡英文総統は軍の近代化を優先事項としている。
昨年は、年度の防衛予算に上積みする形で、26年まで86億9000万ドルの特別予算を発表した。海軍の装備品を主な使途とする。
中国が3月に発表した今年の国防費は前年比7.1%増の1兆4500億元(2116億2000万ドル)だった。ただ、専門家の多くは実際の額は異なると指摘する。