[25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が25日に公表した7月21日の理事会の議事要旨で、欧州連合(EU)でリセッション(景気後退)のリスクが高まっているにもかかわらず、政策当局者らは高インフレの定着に懸念を強めている様子が明らかになった。
ECBは7月21日、主要政策金利を0.5%ポイント引き上げた。利上げは2011年以来11年ぶり。ロシアのウクライナ侵攻を背景に、ロシア産ガス供給不安による景気への影響が懸念されるものの、高進するインフレへの対応をより重視し、引き上げ幅は前回の理事会で示唆した0.25%ポイントの倍にした。
ECBは議事要旨で「インフレ圧力が強まったと判断された」と指摘。「持続的な高インフレによって、長期的なインフレ期待が固定されなくなるリスクが高まる」とした。
その上で「インフレ期待の継続的な固定は、悪化するインフレ見通しに対して理事会が断固として行動することにかかっている」とした。
一方で、7月理事会での0.50%ポイントの利上げは前倒し的な措置であり、より積極的な利上げ路線の到来を告げるものではないとした。
このほか、議事要旨では、政策当局者がユーロ圏のリセッションリスクが高まっていることを強く認識していたが、政府が一段の支援を行うことができると捉えていたことも明らかになった。
ECBは「金融政策は、経済が一連の供給ショックに見舞われた際に効果的な支援を提供することができなかった」とした。