[北京 30日 ロイター] - 中国共産党は5年に一度の党大会を10月16日から開催する。この大会で習近平国家主席(69)は異例の3期目続投を確実にし、故毛沢東主席以来の最も強力な指導者として地位を固めるとの見方が強い。
30日の政治局会議を受けて開幕日が発表された。党大会の会期は通常1週間程度で、北京の人民大会堂でほぼ非公開で行われる。
習主席は2012年に党総書記に就任して以来、抵抗する派閥を排除し、着々と権力を固めてきた。党大会では指導部選出と政策策定でおおむね絶対的な決定権を握るとみられる。
3期目入りを目前に習氏は、景気低迷や国内の新型コロナウイルス流行、欧米との摩擦拡大や台湾との緊張を巡る市民の抗議活動など逆風に直面しているが、自身が掲げる「中華民族の偉大な復興」の実現に向け党の信任を確立するとみられる。
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)中国研究所のディレクター、スティーブ・ツァン氏は「習氏は、中国をより一層、自国中心の政策、特に外交政策に導く」と指摘。「また、共産党が中国の全てをリードし、共産党が指導者に全面的に従うことの重要性を強化するだろう」は述べた。
<指導部人事>
習主席は党大会閉幕の翌日に党総書記と人民解放軍トップの党中央軍事委員会主席に再任されるとみられる。
政策の方向性は大きく変化しないとみられるが、党大会では最高指導部を構成する党中央政治局常務委員(現在7人)や李克強首相の後任の人事が注目される。常務委の構成や人数も焦点となる。
シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院のアルフレッド・ウー准教授は「今回の党大会で習氏の支持者を権力の座に就けることで、習氏は自身が望むどんな政策でも押し通す大きな権限を得ることになる」とした。