［上海 ５日 ロイター］ - 中国人民銀行（中央銀行）は５日、銀行の外貨預金準備率を９月１５日から２００ベーシスポイント（ｂｐ）引き下げ６％にすると発表した。
人民元安のペースを抑制することが狙いとみられる。外貨預金準備率は４月にも１００ｂｐ下げられていた。
人民銀は声明で、引き下げは「金融機関の外貨資本活用能力」の向上が目的と説明した。
人民元は今年対ドルで８％下落。５日にはドル高や中国経済減速を背景に約２年ぶり安値を付けた。
準備率の引き下げはドル流動性を高めることになる。７月末時点の外貨準備高は９５３７億ドル。準備率の引き下げで約１９０億ドルが市中にとどまると見込まれる。
今回の引き下げについて、一部トレーダーとアナリストは予想された動きで、急速な元安は好ましくないという市場へのシグナルでもあるとみる。
みずほ銀行のアジア通貨チーフストラテジスト、張建泰氏は「このところ元の対ドル基準値は市場予想を上回り続けており、人民銀の対応は市場の想定範囲内だ」と述べた。
ＯＣＢＣ銀行の金利ストラテジスト、フランシス・チャン氏は「（市場への放出額は）クロスボーダー取引に比べると巨額ではないが、市場は人民銀行が送ったメッセージを意識するだろう」と指摘。
ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は、人民銀行が元の過度なボラティリティーを是正する適切な政策ツールを導入し始めたとし、「一方向の元売り取引が抑制され、急ピッチな元安圧力が緩和する可能性がある」と述べた。