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アングル:「何もかも高い」、米国への旅行者がドル高に悲鳴

発行済 2022-10-02 07:39
更新済 2022-10-02 07:45
© Reuters.  9月29日、 英国人の電気技師ジェフ・スキッパーさんと大学事務管理職員、バレリーさん夫妻は今月、米サンフランシスコを旅行で訪れたが、その何週間も前から目にしてきたのはポン

[サンフランシスコ/ニューヨーク/ロンドン 29日 ロイター] - 英国人の電気技師ジェフ・スキッパーさん(50)と大学事務管理職員、バレリーさん(47)夫妻は今月、米サンフランシスコを旅行で訪れたが、その何週間も前から目にしてきたのはポンド/ドルが一直線に値下がりし続けるという救いがたい光景だった。

ポンド安が進んだ結果、2人はただでさえ物価が高いサンフランシスコである程度贅沢しようと考えていたものの、幾つかの予定については、出費を切り詰めざるを得なくなった。

スキッパーさんは「私たちがここに来てからずっと、一番の話題は為替レートだ」と話す。バレリーさんも「何もかもが、とても高い。私たちは店内飲食をやめて生鮮食品店で食べ物を買っている。ポンドに換算すると全く値段相応とは言えないからだ。本当にお金がかかる」と、悲鳴を上げていた。

2人を含めて海外から米国にやってくる旅行者は、いずれもドル高に苦しめられている。中でも英国人は、ポンド急落のせいで痛手はさらに大きい。ポンド/ドルは26日に1.0327ドルと最安値を更新し、年初来の下落率は20%を記録した。

通信技術者の仕事を引退し、同じく妻とともにサンフランシスコを訪れた英国人のコリン・テーラーさんは「今は1ドルが1ポンドになり、私たちは大打撃だ。朝食の料金は50ポンド。英国なら20-25ポンドで済んだはずで、私たちには大変な値上がりになる」と嘆いた。

<何も買えず>

もちろんポンドだけでなく、ユーロ、円、その他多数の通貨が対ドルで下落している。主要6通貨に対するドル指数は28日に20年ぶりの高値を付けた。

アルゼンチンから妻や2人の娘とニューヨークへ旅行に来た公認会計士のホセ・アルバドさん(48)は「私たちは割安なレストランに入っている。ディズニーストアにも足を向けたが何も買っていない。一通り見て出て行くだけだ」と語った。

それでも米国旅行協会が今年6月に発表した見通しによると、新型コロナウイルス関連の旅行規制解除に伴って、米国をレジャー旅行で訪れる外国人の今年の支出額は物価調整後で870億ドルと、2019年の1450億ドルには届かないが、20年及び昨年の330億ドルを上回る。

また、一部の外国人旅行者は、ドル高のために楽しみが奪われるのを承知しないだろう。パリから米国に来たアプリデザイナーのジル・ノロルゲさん(48)は「是非ともニューヨークをエンジョイしなければ」と意気込む。

<懐豊かな米国人>

対照的に、ドルを懐に入れて海外旅行する米国人は、気軽にお金を使える。

ドルとユーロが20年ぶりに等価(パリティ)となった7月、米国人旅行者はパリで高額商品を「爆買い」し、ロンドンのウエストエンドでは割安価格でさまざまな「おもてなし」を堪能していた。

米国旅行アドバイザー協会が集計した消費者調査データに基づくと、米国人が国内と海外の旅行で今年支出する金額は19年比で11%増えている。

「使っているのは『はした金』という感覚になる」と話すのは、カリフォルニアからロンドンを訪れ、トラファルガー広場で取材に応じてくれたアームストロングさん(26)だ。

インドネシアのバリ島では、ロサンゼルスから来たジョニー・フォリンさん(39)が、ドル高のおかげでおいしい食べ物やドリンク、マッサージのサービスをそうでない場合よりもふんだんに享受できた、とうれしそうだった。

ドルは今年、インドネシアルピアに対して約7%上昇している。

(Noel Randewich記者、John McCrank記者、Alun John記者)

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まぁ当然でしょうね。米ドル生活圏でないものにとって、米国での経済活動全般にわたり”苦痛”に感じるだろうし、米ドルを生活圏とするものにとっては大きな経済的恩恵を被る。仕事で必要でないかぎり米ドル経済圏にいかないよう注意するしかないだろう。
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