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23年「厳しい年に」、米中欧同時減速で=IMF専務理事

発行済 2023-01-03 07:56
更新済 2023-01-03 13:18
© Reuters.  IMFのゲオルギエバ専務理事は1日、2023年は多くの国・地域にとり厳しい年になるとの見方を示した。昨年11月撮影(2023年 ロイター/Michele Tantussi)

[1日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は1日、2023年は多くの国・地域にとり厳しい年になるとの見方を示した。「米国、欧州連合(EU)、中国という3大経済圏が同時に減速しているため」と説明した。米CBSのニュース番組で述べた。

<22年の中国成長率、世界を下回る可能性>

IMFは昨年10月、ウクライナ戦争や金融引き締めの影響を踏まえ、23年の世界の成長率予想を引き下げた。

その後12月に中国は厳格な新型コロナウイルス感染防止措置(ゼロコロナ政策)を実質終了したが、感染者は急増している。

習近平国家主席は新年に向けた演説で、新型コロナ対策で中国は「新しい段階」に入ったとし、さらなる努力と結束を呼びかけた。

昨年12月下旬に中国を訪問したゲオルギエバ氏は、「22年の中国の成長率は、この40年間で初めて世界の成長率と同じ、ないし下回る可能性が高い」と指摘。

23年についても、今後数カ月の予想されるコロナ感染がさらなる打撃となると予想し、中国が地域と世界両方の成長の足を引っ張る可能性があると述べた。

昨年10月の予測では、22年の中国のGDP成長率は3.2%で世界成長率と同じ。23年は世界経済成長が2.7%に減速する一方で中国は4.4%に加速すると見込んでいた。

今回の発言は、1月下旬の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に合わせてIMFが発表するとみられる経済予測で、中国と世界の成長予測が再び引き下げられる可能性を示唆する。

<米国経済「最も回復力がある」>

一方、米国経済については、際立っており、世界経済の3分の1が陥る可能性のある本格的な景気後退を回避できる可能性があると指摘した。

「米国は最も回復力がある。景気後退を回避できるかもしれない。労働市場は非常に強い状態を保つとみている」と述べた。

ただ強い雇用の持続は、米連邦準備理事会(FRB)の引き締め長期化のリスクにもなる。

ゲオルギエバ氏は、雇用の好調は両刃の剣だとし「労働市場が非常に好調であれば、インフレ率を下げるためにFRBはより長期の引き締めを迫られる可能性がある」と述べた。

インフレ抑制に全力を挙げるFRBは雇用情勢を注視している。6日に発表される昨年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が20万人増加、失業率は3.7%と1960年代以降で最低に近い水準を維持すると予想されている。

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