[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.0%上昇し、伸び率は前月の2.1%から減速して2022年2月以来の低さになった。市場予想は1.9%上昇だった。
昨年終盤に厳格な新型コロナウイルス規制が解除されたものの、消費者は慎重な姿勢のままで需要が低迷した。
季節調整済みの前月比では0.5%下落。予想(0.2%上昇)に反してマイナスとなった。1月は0.8%上昇だった。
食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前年比0.6%上昇と、内需の弱さを映して前月の1.0%から伸びが鈍化した。
上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のプレジデント、張智威氏は、内需の強さを示す他のデータと相反する数字だと指摘。「ただ、軟調なCPIは政府に追加の金融緩和策を打ち出す余地を与える」と述べた。
しかし、エコノミストは年内に金融政策に大きな動きがあるとは予想していない。政府は昨年、景気を下支えするために預金準備率を2度引き下げている。
統計局はCPIの伸び鈍化について、1月の春節(旧正月)連休後の需要減退が要因だと説明した。生鮮食品の価格は、温暖な気候と供給増加を背景に大半が下落した。
生産者物価指数(PPI)は前年比1.4%下落。資源価格の軟化が主な下落要因。エコノミスト予想は1.3%下落、1月は0.8%下落だった。マイナスは5カ月連続。
中国経済はコロナ禍から回復する兆しを見せているが、海外需要の軟化や国内の不動産不況という逆風もある。
それでもエコノミストは、コロナ規制の解除などを背景に今後数カ月にわたり中国の消費者物価に上昇圧力が加わると見込んでいる。