[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリアのチャーマーズ財務相は12日、豪州は世界経済減速の影響を免れないものの、世界の状況が複雑さと厳しさを増す中でもリセッション(景気後退)を回避する見通しだと述べた。
世界銀行・国際通貨基金(IMF)の春季総会出席で訪米するのを前にABCラジオのインタビューに応じた。
IMFは11日、2023年の世界成長率見通しを下方修正し、金融システムの混乱が深刻化すれば生産活動が景気後退に近い水準まで落ち込むおそれがあると警告した。
チャーマーズ氏は、財務省と豪準備銀行(中央銀行)は国内経済が年内に「著しく減速」すると引き続き予想しているものの、現時点で景気後退は想定していないと述べた。
「豪州の失業率は低く、輸出品の価格は良好で、賃金も上昇し始めていることから、強みが幾つかある」と語った。
来月の連邦予算案発表を前に、ワシントンで行う他国の当局者との会合は世界経済の最新動向を把握する上で有益との見方も示し、「特に今回の予算案は微妙なバランスを取る必要がある」と述べた。
豪政府は予算案で、30年ぶり高水準にあるインフレに拍車をかけることなく家計向けの物価高対策を打ち出したい考えだ。