[ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア中央銀行は18日、主要政策金利を3会合連続で据え置いた。ペリー・ワルジヨ総裁は総合インフレ率が予想よりも早く目標値に戻りそうだと述べた。
インドネシア経済は商品を中心とする輸出によって支えられてきたが、世界的な金融引き締め政策が需要を圧迫していることから、エコノミストは成長の鈍化を予想している。
中銀は7日物リバースレポ金利を5.75%で据え置いた。ロイター調査ではエコノミスト30人全員が据え置きを予想していた。他の2つの政策金利も据え置かれた。
総裁は記者会見で、インフレと物価期待の軟化を目指す中銀のスタンスと一致する決定と説明した。
政策金利について、コアインフレ率を目標の2─4%内にとどめ、総合インフレ率を従来の予測よりも早く目標値に戻すのに十分な水準と指摘した。
4.97%と7カ月ぶり低水準を記録した3月の総合インフレ率に言及し「このまま減速が続くだろう。8月以降は4%を下回る可能性がある」との見方を示した。
中銀はこれまで総合インフレ率が目標値に戻るのは9月になると予想していた。
通貨ルピアは資本流入に支えられ、今後も強含みで推移するとの予想を示した。
中銀はインフレ抑制のため、昨年8月から今年1月にかけて225ベーシスポイント(bp)の利上げを実施した。
INGのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、インフレが緩やかになり、ルピアは海外からの資金流入に支えられているとして、中銀のトーンが今後数カ月で変化する可能性があるとの見方を示した。
中銀は現状維持を続け、第3・四半期以降に景気回復を支援するために利下げを行うというのが基本予想と述べた。インフレ率がよりはっきりと低下すれば、利下げを第2・四半期に前倒しする可能性があるとした。
一方、一部のエコノミストは、エネルギー価格のさらなる上昇の可能性といった世界的な不確実性や、2024年2月予定のインドネシア総選挙に関連する国内消費のインフレ影響を理由に追加引き締めを予想。バハナ証券は「23年のBI(インドネシア中銀)金利の基本シナリオは6.00%」としている。
総裁は国内消費と輸出が引き続き成長を後押ししていると述べた。
中銀は2023年の国内総生産(GDP)成長率予想を4.5─5.3%の上限に据え置いた。経常収支はGDP比0.4%の赤字から0.4%の黒字の間になるとの予想も維持した。