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焦点:米当局の対応注視、金融強化に水差す恐れも 債務上限問題

発行済 2023-05-12 20:25
更新済 2023-05-12 20:28
© Reuters.     主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は12日の討議を終え、あす共同声明を採択する。もっとも米債務上限問題では事態を見守るしか打つ手がなく、期限とされる6月1日ま

[新潟市 12日 ロイター] - 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は12日の討議を終え、あす共同声明を採択する。もっとも米債務上限問題では事態を見守るしか打つ手がなく、期限とされる6月1日まで市場の動揺は収まりそうにない。打開策を出せずに米当局に対する信認が低下すれば、強化を急ぐ金融システム協議に水を差す恐れもありそうだ。

「直接の対応は米国にお願いすることになる。米政府が全力を尽くしてくれると信じている」。G7開幕に先立つ11日、植田和男日銀総裁は議長国としての心情をこう吐露した。

プラザ合意で有名な1985年9月の先進5カ国(G5)財務相・中銀総裁会議や、ルーブル合意で知られる87年2月のG7など、当時の国際会議では他国のマクロ政策に注文を付ける時代もあった。

しかし、現在では各国の主権に委ね、互いに口を出さないのが慣例。G7開幕に先立ち、すでに市場はこの問題に揺れていたが、議長国日本は議題として取り上げることはせず、「(討議の場で)参加者の中からそういう話題が出れば取り上げる」(植田総裁)と、一定の距離を置いた。

同行筋は12日、世界経済の討議で米側から債務上限に関する説明があったとしたが、それ以上のやり取りの有無については言及を避けた。

米債務上限問題は「お家芸の政治的チキンレース」(市場関係者)とされ、過去に何度も政治利用されてきたが、実際にデフォルトに陥った例はない。

ただ、オバマ政権時の2011年8月にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債を最上格から格下げして市場の混乱を招いた経緯もあり、「マーケットに対しては大きなノイズ。チキンレースの土壇場で改めて格下げに見舞われる可能性もある」(UBS証券の足立正道チーフエコノミスト)との声がある。

リスク資産を敬遠する「リスクオフ」なら株安・債券高となり、逆に米国債利回りが低下する展開になることも想定される。実際、3月初旬に4%を超えていた米10年債利回りは、足元では3%台前半で推移している。

もっともソブリンリスクに焦点が当たれば、米国債そのものが投資家に敬遠され、売り圧力がかかる可能性も否めない。

先行きのリスクシナリオとして、東京経済大の小川英治教授は「米財政当局に対する信認が崩れ、米国債利回りが上昇すれば現在問題となっている米中堅銀などが保有する債券の含み損が膨らむ。G7で議論している金融システム強靭化に向けた議論に水を差しかねない」と話している。

(山口貴也、梶本哲史 編集:橋本浩)

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