[リスボン 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのセンテノ・ポルトガル中銀総裁は物価を押し上げた要因が解消されつつあると述べ、ECBは現在の金利水準でインフレ率を目標の2%へ引き下げることができるとの見方を示した。
19日夜のポルトガル国営放送(RTP)のインタビューで、現在の金利が維持されるなら「インフレに対処するための非常に重要な取り組み」になると指摘。「現在のECBの政策金利は中期的には(目標の)2%のインフレ率と合致する」と述べた。
「政策が軌道に乗り、インフレ率が低下し、インフレ上昇を正当化する要因が消滅しつつあることを今こそ確信すべき時だ」と語った。
新型コロナウイルス流行後の「かなり急速な」景気回復のほか、ウクライナ戦争の影響やエネルギー価格の上昇といったショックがインフレを引き起こしたと分析。「(ECBは)原油価格の上昇による新たなエネルギーショックは想定していない」とし、数年前と比べて経済の石油への依存度が低下していることが一因との見方を示した。
今後のECBの政策決定は入手可能な情報に基づいて下されるとしたほか、「欧州銀行間取引金利(EURIBOR)は今年末から低下傾向が続く」と予想した。