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中国、最優遇貸出金利を据え置き 元安で緩和余地限定的との見方

発行済 2024-01-22 10:53
更新済 2024-01-22 12:45

[上海/シンガポール 22日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は22日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場の予想通り据え置いた。人民元に下落圧力がかかる中、金融緩和の余地は限定的とみられている。

1年物LPRは3.45%、5年物は4.20%にそれぞれ据え置いた。

ロイターが市場関係者27人を対象に先週実施した調査では、1人を除く全員が1年物と5年物の据え置きを予想していた。

中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。

最近の経済指標では景気回復のばらつきが浮き彫りになり、デフレ圧力が実質の借り入れコストを押し上げているものの、市場関係者らは人民元の下落圧力再燃や純金利マージン縮小が金融緩和の余地を狭めていると指摘する。

キャピタル・エコノミクスの中国経済担当責任者、ジュリアン・エバンズ・プリチャード氏は、政策当局者が元に関する懸念を維持しているようだと指摘。

「現段階で金利を引き下げれば、元に一段の下落圧力がかかりかねない。当局はそれを避けたいため、当面は量的緩和策に注力する可能性がある」と述べ、担保付き補完貸出(PSL)などを例に挙げた。

人民銀は先週、1年物中期貸出制度(MLF)融資の金利を予想外に据え置いていた。

バークレイズのエコノミストはこれについて「人民銀の金利政策が為替に関する責務の制約を受けていることを反映した可能性が高い」との見方を示した。

人民元は年明け以降、堅調な米経済や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡る慎重な見方を受けたドル高が重しとなり、再び下落圧力にさらされている。

国内市場の元は年初来約1.3%下落し、2カ月ぶりの安値を付けた。

エバンズ・プリチャード氏は、元相場がある程度回復した時点で利下げが再開されるとの見方を示し、第2・四半期末までに20ベーシスポイント(bp)の利下げを予想した。

1年物LPRは昨年2回、計20bp引き下げられた。5年物LPRは10bp引き下げられた。

市場関係者はまた、企業や家計の資金需要が高まる春節(旧正月)の連休を前に人民銀が流動性供給を強化するとみている。

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