Liangping Gao Ryan Woo
[北京 15日 ロイター] - 中国の新築住宅価格は2月も下落し、8カ月連続のマイナスとなった。一連の支援策にもかかわらず、低迷する不動産セクターの底は見えてこない。
中国国家統計局が15日発表したデータに基づくロイターの算出によると、2月の新築住宅価格は前月比0.3%下落。1月も0.3%下落していた。
前年比では1.4%下落し、2023年1月以来の大幅な落ち込みとなった。1月は0.7%下落していた。
アナリストは下落の要因について、市場の閑散期であることや8日間の春節(旧正月)休暇による影響を指摘する。
不動産仲介センタラインのアナリスト、Zhang Dawei氏は「需要や住宅購入者の所得、信頼感が今年回復するには時間がかかるだろう」と述べた。同氏は3月には1級都市の価格がわずかに上昇すると予想している。
2月に価格が下落したのは59都市で、前月の56都市から増加した。1級都市のうち北京と深センを含む3都市が前月比で値下がりを記録した。
INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「不動産価格の下落は逆資産効果をもたらし、消費に逆風となる」と指摘。
「購入制限の撤廃や不動産プロジェクトのホワイトリスト、住宅ローン金利押し下げに向けた2月の5年物最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)引き下げなどは正しい方向への措置だが、さらなる支援策が依然として必要とみられる」と述べた。
中国の不動産部門は、開発業者の高レバレッジを当局が厳しく取り締まったことから流動性問題が発生し、2021年以降相次ぐ危機に見舞われている。
当局はこれまでのところ開発業者支援に向けた大規模な刺激策は講じていない。代わりに不動産部門の回復を後押しするために段階的な措置を講じている。
李強首相は3月初旬に開かれた全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での政府活動報告で、対象を絞った措置で不動産部門の安定を図る一方、「正当な」不動産事業への融資は推進すると表明した。
1月には「ホワイトリスト」と呼ばれる仕組みを導入。各地方政府が融資を推奨する不動産プロジェクトの一覧(ホワイトリスト)を銀行に提示して、銀行に融資を増やすよう指示した。
また、上海や深センなどの一部大都市は住宅購入規制を緩和している。