![](http://c1308342.cdn.cloudfiles.rackspacecloud.com/news_providers_logos/fisco_s.png)
・日経平均は3日ぶり反落、決算を受けた個別対応が中心、新興市場動向を注視
・ドル・円は下げ渋りも、米中摩擦を警戒
・値下がり寄与トップはファナック (T:6954)、同2位はKDDI (T:9433)
■日経平均は3日ぶり反落、決算を受けた個別対応が中心、新興市場動向を注視
日経平均は3日ぶり反落。
91.79円安の22654.91円(出来高概算7億6797万株)で前場の取引を終えた。
1日の米国市場では、アップルの好決算や7月ADP雇用統計が好感され、買いが先行。
トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税率引き上げを検討していることが報じられると、S&P500とダウは、上げ幅を縮小して下落に転じた。
注目のFOMCでは政策金利が据え置かれたものの、米経済の拡大を受けて利上げ方針の維持を示唆した。
発表後に株価は揉み合う展開となった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円安の22625円となり、日経平均はこれにサヤ寄せする格好でマイナススタートになった。
為替相場が1ドル111円60銭台とやや前日比円高に振れて推移していることも重しとなっている。
東証1部の値上がり数は1047銘柄となっており、全体の50%程度を占めた。
セクターでは、非鉄金属、石油石炭製品、鉱業がさえない一方で、パルプ紙、保険業、サービス業は堅調であった。
米10年債利回りが3%台に乗せたため、金利上昇による収益拡大観測からメガバンクや保険株へと関心が向かった。
指数インパクトの大きいところでは、エーザイ (T:4523)、リクルートHD (T:6098)、ヤマハ (T:7951)、京セラ (T:6971)が上昇。
価格帯別売買動向では、日経平均は22800円処での商いの積み上がりがみられており、戻り売り圧力の強さが窺えることから上値の重い展開となっている。
米中貿易摩擦に対する懸念が市場にくすぶるなか、基本的には決算を受けた個別対応が物色の中心となる地合いが継続しよう。
3月決算企業による4-6月期の決算発表がピークを迎えるなか、前日までの決算発表企業では、市場予想を上回る企業も多く、決算評価で上昇する銘柄が目立っている。
期初にみられた今期の企業業績に対する過度な警戒感は後退しつつあるといえよう。
他方、本格化する企業決算の内容を見極めたいとのムードが広がるなか、前日に薄商いでさえない動きとなったジャスダック・マザーズ市場にはともに買い戻しが入っており、後場にかけて新興市場へと個人投資家による短期資金が更に向かう可能性も意識されよう。
■ドル・円は下げ渋りも、米中摩擦を警戒
2日午前の東京市場で、ドル・円は下げ渋り。
国内勢の押し目買いが観測されたものの、米中貿易摩擦への警戒で円買いは弱まっていないようだ。
ドル・円は、日経平均株価が下げ幅を徐々に拡大したことを受け円買いに振れ、111円50銭付近まで値を下げた。
米10年債利回りが節目の3%を割り込んだことも、ドルの下落要因とみられる。
ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いで推移しており、目先の日本株安継続を意識した円買いは続きそうだ。
ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)による年4回利上げへの期待からドル売りは後退しているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円54銭から111円75銭、ユーロ・円は130円11銭から130円30銭、ユーロ・ドルは1.1658ドルから1.1666ドルで推移した。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ALBERT (T:3906)やエクストリーム (T:6033)など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップはファナック (T:6954)、同2位はKDDI (T:9433)
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・雨宮日銀副総裁
「現在の金融緩和を粘り強く続け、需給ギャップのプラス状態をできるだけ長く続けることが適当」
「物価2%上昇の実現見通しが後ずれしたからといって、金融緩和の手を緩めることはない」
「金利が急速に上昇する場合、迅速かつ適切に国債買入れを実施する」
「需給ギャップのプラス状態を長く続けることができれば、物価抑制要因の多くは次第に解消」
【経済指標】
・日・7月マネタリーベース:前年比+7.0%(6月: +7.4%)
・豪・6月貿易収支:+18.73億豪ドル(予想:+9.00億豪ドル、5月:+7.25億豪ドル←+8.27億豪ドル)
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
<HH>