先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダック平均も上昇した。
6月29日の米中首脳会談で通商協議の再開が決まり、中小型株にも買い安心感が広がった。
マザーズ指数が5月29日に付けた直近の戻り高値(924.22pt、取引時間中)を上回ると利益確定の売りも出たが、日経平均がややこう着感を強めたため、値幅取りを狙った個人投資家の買いが中小型の材料株や直近IPO銘柄に向かった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.2%であったのに対して、マザーズ指数は+3.5%、日経ジャスダック平均は+1.4%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で2.4%高、PKSHA Technology (T:3993)が同5.5%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調だった。
直近IPO銘柄のSansan (T:4443)は同5.3%高となり、マザーズ市場で時価総額4位に浮上した。
国内運用会社の大量保有報告書提出が観測されている。
売買代金上位では新日本製薬 (T:4931)やUUUM (T:3990)が買われ、アクセルマーク (T:3624)が週間のマザーズ上昇率トップとなった。
開発中のブロックチェーンゲームが期待材料のようだ。
一方、そーせいグループ (T:4565)は年初来高値を更新したものの、週後半にかけて利益確定売り優勢。
また、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となった中村超硬 (T:6166)が下落率トップだった。
ジャスダック主力では日本マクドナルドHD (T:2702)が同3.1%高、ワークマン (T:7564)が同13.4%高となった。
ともに6月の既存店売上高が好調だった。
売買代金上位ではカルナバイオサイエンス (T:4572)が活況となり、統合型リゾート(IR)を巡り思惑が広がったフジタコーポレーション (T:3370)などが週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。
反面、メイコー (T:6787)などは売りに押され、環境管理センター (T:4657)が下落率トップだった。
IPOでは7月5日にフィードフォース (T:7068)が新規上場したが、買い気配のまま初値持ち越しとなっている。
今週の新興市場は、引き続き強含みで推移しそうだ。
日経平均は米利下げ期待の後退と為替の円高一服の綱引きとなる可能性があるものの、米中摩擦などに対する過度な不安心理が後退し、株式相場全体として落ち着きを見せている。
新興市場の売買代金は依然としてやや低調だが、リスク回避目的の売りは出にくいだろう。
値幅取りを狙った買いが入り、中小型株相場を押し上げるとみられる。
今週は、7月10日にGameWith (T:6552)、11日にSHIFT (T:3697)、チームスピリット (T:4397)、リックソフト (T:4429)、12日にフィル・カンパニー (T:3267)、UUUM、ロゼッタ (T:6182)、識学 (T:7049)、SOU (T:9270)などが決算発表を予定している。
UUUMなどを見ると、業績期待の高い銘柄は決算発表が迫り見直しの買いが入っているようだ。
今月下旬から決算発表が始まる3月期決算企業についても、直近の業績動向を再確認しておきたい。
11日発表の安川電機 (T:6506)決算は中小型の輸出関連株にも影響を与えそうだ。
IPO関連では、今週の新規上場予定はない。
現在はLink-U (T:4446)やビーアンドピー (T:7804)のブックビルディング(BB)期間で、Link-Uは需要旺盛と観測されている。
7月11日からはブシロード (T:7803)がBB期間に入るが、高い知名度を誇る一方で公開規模がやや大きいため、需要状況を注視したい。
なお、先週はステムリム {{|0:}}(8月9日、マザーズ)の新規上場が発表されている。