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アジア株安やイラン情勢など地政学リスクを嫌気【クロージング】

発行済 2019-07-08 16:10
更新済 2019-07-08 16:21
© Reuters.  アジア株安やイラン情勢など地政学リスクを嫌気【クロージング】
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8日の日経平均は大幅に下落。

212.03円安の21534.35円(出来高概算10億7000万株)で取引を終えた。

先週末の米国市場は、雇用統計が予想を上回ったことから早期利下げ期待が後退し下落となり、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から日本株市場も売りが先行した。

その後はこう着感が強まるかにみられたが、日経平均は寄り付き直後に付けた21672.65円を高値にじりじりと下げ幅を広げており、後場には一時21499.57円と21500円を下回る局面もみられている。

上場TPX (T:1308)、225投信 (T:1321)、上場225 (T:1330)などETFの決算となるため、これに伴う分配金捻出の為の売り需要の影響が警戒されているとみられ、模様眺めムードが強かった。

また、中国・上海指数が一時3%程度の下落となったことも、手控え要因になったようである。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1600を超えており、全体の7割を超えている。

セクターでは、水産農林、医薬品、繊維、建設、空運、パルプ紙、陸運が軟調。

半面、上昇したのはゴム製品、鉱業、銀行の3業種のみだった。

指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG (T:9984)、テルモ (T:4543)、ダイキン (T:6367)、KDDI (T:9433)、スズキ (T:7269)が軟調。

ETFの決算に伴う分配金捻出の為の売り需要の影響が警戒されていたが、それでもこう着感の強い相場展開からの底堅さが意識されるとみられていた。

しかし、中国・上海指数が一時3%程度の下落となるなど、アジア株安がセンチメントを悪化させていた。

また、イランが核合意で定められた濃縮度の上限を超えるウラン濃縮の作業に着手したことによる地政学リスクの高まりなども手控え要因になっているだろう。

ドイツ証券による日本株撤退報道も神経質にさせている。

引き続きETFに絡んだ売り需要のほか、外部環境の不透明要因から手掛けづらさは意識されやすいところである。

日経平均は心理的な支持線レベルである21500円までの調整をみせてきており、明日以降、ギャップ・ダウンをみせてしまうと、上にアイランドリバーサル形状を残す格好にもなりやすく、チャート形状においても先行き慎重姿勢につながりやすい。

この水準は踏ん張り処であろう。

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