3日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。
足元の弱い米経済指標で今月末の追加利下げ観測が広がるなか、世界的な株安が続けば一段安の見通し。
ただ、明日発表の雇用統計を見極めたいとのムードもあり、ドル売りは小幅にとどまりそうだ。
前日発表された9月ADP雇用統計(民間部門雇用者数)は予想を下回ったほか、8月分が下方修正された。
それを受け4日発表の雇用統計の低調な内容に思惑が広がり、大幅株安を手がかりにドル売り優勢となった。
ドル・円はNY市場で107円台を維持したが、本日のアジア市場では日経平均株価の軟調地合いを背景に106円90銭台に下げる場面もあった。
ただ、値ごろ感による国内勢の押し目買いが入り、その後は107円台を回復。
市場では、9月24日に106円90銭台まで下落した後、10月にかけて108円台に持ち直したのと同様の展開が期待されているようだ。
この後の海外市場では、引き続き今月末の米追加利下げに思惑が広がりやすい。
今晩発表される米経済指標の新規失業保険申請件数、9月ISM非製造業景況指数、8月製造業受注はいずれも前回を下回ると予想されている。
特にISM非製造業指数は、1日のISM製造業のように悪化した場合には、さらに株安・長期金利低下となり、ドルの一段安が見込まれる。
また、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ提案に賛成したクオールズFRB副議長から慎重な見解が示されれば、ドル売りを支援しよう。
一方で、明日の雇用統計を前に様子見ムードも広がり、ドル売りを抑える可能性もあろう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:00 ユーロ圏・9月サービス業PMI改定値(予想:52.0、速報値:52.0)・17:30 英・9月サービス業PMI(予想:50.3、8月:50.6)・18:00 ユーロ圏・8月小売売上高(前月比予想:+0.3%、7月:-0.6%)・18:00 ユーロ圏・8月生産者物価指数(前年比予想:-0.4%、7月:+0.2%)・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.3万件)・21:30 クオールズ米FRB副議長が銀行関連会合出席(ブリュッセル)・22:45 米・9月サービス業PMI改定値(予想:50.9、速報値:50.9)・23:00 米・9月ISM非製造業景況指数(予想:55.0、8月:56.4)・23:00 米・8月製造業受注(前月比予想:-0.2%、7月:+1.4%)・23:00 米・8月耐久財受注改定値(速報値:前月比+0.2%)・01:10 メスター米クリーブランド連銀総裁が討論会参加(インフレ関連)・02:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演(地域フォーラム、ヒューストン)・07:35 クラリダ米FRB副議長が討論会参加(経済・金融政策関連)