18日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想する。
ブレグジット修正案の英議会採決を控え、否決の思惑が広がりやすい見通し。
また、足元の低調な米経済指標を受け連邦準備制度理事会(FRB)の目先の利下げが見込まれ、ドル売り基調が続きそうだ。
欧州連合(EU)首脳会議で離脱する英国の修正案について双方が合意に達し、前日の取引ではリスク資産が買われる展開となった。
また、ポンドの急伸でクロス円が上昇し、ドル・円を押し上げている。
ただ、ブレグジットの修正案はEU首脳会議の後、英国議会で可決される必要があるものの、与党・保守党は先の除名処分などにより議席を減らしており、19日の採決に関しては不透明感が広がりやすい。
本日のアジア市場では、そうした流れでドル・円は失速。
また、午前中に発表された中国の国内総生産(GDP)が予想を下回り、米国経済の影響を懸念したドル売りも観測される。
この後の海外市場でも、足元の低調な米経済指標を背景としたドル売りは継続しよう。
前日の建設許可件数は堅調となったが、フィラデルフィア連銀製造業景況指数と鉱工業生産は弱く、予想外に悪化した16日の米小売売上高とともに景気減速の見方が広がっている。
今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの織り込みが進むなか、今晩はブラックアウト期間を前にFRB当局者や地区連銀総裁の発言が注目されよう。
ジョージ・カンザスシティー連銀総裁の強気な見解やクラリダFRB副議長による成長維持の認識でドル売りは一服するものの、利下げ観測を弱める材料にはなりにくい。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:00 ユーロ圏・8月経常収支(7月:+205億ユーロ)・22:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演・23:00 米・9月景気先行指数(前月比予想:0.0%、8月:0.0%)・23:05 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁が討論会参加(米国経済関連)・24:30 クラリダ米FRB副議長講演(米国経済見通しと金融政策)・EU首脳会議(最終日)・米国が対EU報復関税を発動