2日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。
中国経済指標の改善などでややリスクオンのムードが広がり、クロス円で円売りが先行する見通し。
ただ、ドル・円は心理的節目の110円が視野に入ったが、売りが出やすく上昇は抑えられそうだ。
報道によると、前週の米感謝祭翌日のブラックフライデー(11月29日)のネット販売が過去最高を記録し、年末商戦の活況に思惑が広がっている。
また、週末から週明けにかけて発表された中国の製造業PMIなど経済指標が堅調となり、本日アジア市場では日経平均株価の上昇を手がかりにややリスクオンのムードが広がる。
ユーロ・円や豪ドル・円などクロス円が値を上げ、ドル・円は一時109円70銭台に浮上。
上海総合指数やハンセン指数のプラス圏推移も円売りを支援した。
ただ、リスク選好的なドル売りも観測され、対円での上昇ペースは鈍い。
ドル・円は今年5月以来、6カ月超ぶりの110円が視野に入っているが、目先の値動きに関しては上値が重くなりそうだ。
今晩24時発表の米月ISM製造業景況指数は2016年以来の低水準となった9月の47.8を大底に回復基調が予想されるものの、経済活動の拡大・縮小の節目である50を下回る見通し。
改善が好感されれば株高につながりドルを押し上げる可能性もあるが、ドルはむしろ安全通貨として対主要通貨で売りが出やすいだろう。
一方、米中貿易協議はなお不透明感が払しょくされていないが、過度な懸念が和らいでいるのもドル買いを抑制する要因になろう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:55 独・11月製造業PMI改定値(予想:43.8、速報値:43.8)・18:00 ユーロ圏・11月製造業PMI改定値(予想:46.6、速報値:46.6)・18:30 英・11月製造業PMI改定値(予想:48.3、速報値:48.3)・23:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会証言・23:45 米・11月製造業PMI改定値(予想:52.2、速報値:52.2)・24:00 米・11月ISM製造業景況指数(予想:49.2、10月:48.3)・24:00 米・10月建設支出(前月比予想:+0.3%、9月:+0.5%)