[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が金利据え置きを決定し、金利変更はないことを示唆したこと受け、ドル指数が4カ月ぶりの低水準を付けた。FRBは10─11日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50─1.75%に据え置くことを全会一致で決定。来年の米大統領選まで緩やかな経済成長が続き、失業も低水準にとどまるとの見方を示し、金利変更はないことを示唆。パウエルFRB議長は記者会見で、利上げの必要性は1990年代半ばの利下げサイクル時より低いとの見解を示した。[nL4N28L3KX][nT5N25X00A]
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)の首席市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「利上げのハードルは、一段の利下げよりも高い状態が続いているが、全般的に見ると、FRBは米経済の先行きに自信を示すと同時に、インフレは長期間にわたり圧力にさらされるとの見方を示している」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.33%安の97.095と、8月9日以来の低水準を付けた。
シャモッタ氏は「市場の焦点は明日の欧州中央銀行(ECB)理事会に移っているが、(米国が対中関税を発動させるとしている)15日に何が起きるのか引き続き注目されている」と指摘。「関税発動が延期されれば、他の通貨が対ドルで上昇する余地が出てくる」と述べた。
ユーロは0.4%上昇。明日のECB理事会はラガルド総裁の下での初めての理事会となるため、新たな態勢下でのECBの方向性を探ろうと、記者会見ではラガルド氏の発言の一言一句に注目されるとみられている。
スウェーデンクローナは対ドルで約4カ月ぶりの高値を更新。インフレ指標が堅調だったことで、マイナス金利政策が終了されるとの見方が強まった。
香港ドルは対米ドルで7月24日以来の高値を更新。市場関係者はキャリー・トレードの巻き戻しがあったとの見方を示している。
英ポンドは薄商いの中、0.37%高。一部世論調査では明日の総選挙でジョンソン首相率いる与党保守党は過半数を確保できない可能性も示されている。
ドル/円 NY終値 108.54/108.57
始値 108.69
高値 108.76
安値 108.48
ユーロ/ドル NY終値 1.1128/1.1132
始値 1.1080
高値 1.1144
安値 1.1071