[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅高の108円半ば。休場明けの中国株が9%近い大幅安となったことなどを受け、ドルは海外市場でつけた1カ月ぶり安値圏で上値の重い展開が続いた。
週明けのドルは108円前半でスタート。中国人民銀行(中央銀行)が1兆2000億元の流動性を供給すると発表したこと、中国株が寄り付き後に下げ幅を縮小したことなどから、ドルは108円半ば付近へ小幅に上昇した。
しかし上値では戻り売りも活発。「新型肺炎は収束の時期も道筋もまだ見えない。影響がさらに広がるリスクまでにらんでヘッジ手段を考慮すると、米国債は外せない」(外銀)といい、米債価格が最近の高値圏で推移する中、ドルの上値は伸びなかった。
米2年債利回りは前週末に1.31%台と2年半ぶり水準へ低下。アジア時間には1.34%台まで切り返したが、動きは小幅だった。米金利先物市場が織り込む3月の利下げ確率は3割まで上昇している。
米大統領選の幕開けとされるアイオワ州の民主党党員集会を3日に控え、有力候補の中で最も左派色が強いサンダース上院議員が優勢ぶりが「規制強化を懸念する形で市場のリスクオフムードにつながっている」(別の外銀)との指摘もあった。
中国証券監督管理委員会は、国内の証券各社に対して、3日に顧客の空売りを禁止するよう口頭で指導した。事情に詳しい3人の関係者がロイターに明らかにした。
市場では「中国株では個人投資家のシェアが8割以上を占めるため、新型肺炎の感染拡大を受けたろうばい売りが出るのは仕方がないだろう。ただ、共産党の独裁体制だからこそ移動の自由などが制限できて、拡大が抑えられているという事実もある」(研究機関アナリスト)との意見も聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル (EUR=) ユーロ/円 (EURJPY=)
午後3時現在 108.52/54 1.1082/86 120.27/31
午前9時現在 108.38/40 1.1087/91 120.17/21
NY午後5時 108.38/41 1.1093/95 120.20/24
(為替マーケットチーム)