(ブルームバーグ):
●日本株は反落、感染拡大と米経済政策肩すかし-情報・通信や輸出安い
東京株式相場は反落。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米国の経済対策は具体策が示されず、実現性が疑問視されて投資家の失望を誘った。情報・通信や電機、医薬品が安い。
野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは、トランプ大統領が景気刺激策の記者会見に現れず、具体策も示されなかったことで「肩透かしを食らった。中央銀行や政府の支援などに期待感が高まっているだけに、期待で上げていた分を吐き出す動き」と指摘した。
- 東証33業種では情報・通信、電機、サービス、医薬品、輸送用機器、不動産が下落
- 電気・ガス、ゴム製品、食料品、銀行が上昇
債券相場は上昇。前日に先物が急落した反動や米長期金利が時間外取引で低下したことを受けて、買い圧力が掛かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うトランプ米政権の経済対策の実現性を慎重に見極める姿勢も相場を支えた。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 10年債は昨日にマイナス0.03%まで売られた後に買い戻しが入っており、先物の値幅も大きい
- 米10年金利の0.5%割れはやり過ぎで、一気に0.8%まで上昇したが、みんな落ち着きどころが分からない
- トランプ政権は大統領選を控えて何かしら経済対策を打ってくるだろうが、ちゃんと出てくるのかどうかで売られたり買われたりしている
- 20年債は入札を控えて上値が抑えられた
- 残存1年以下と5年超10年以下、物価連動債の買い入れ額はそれぞれ500億円、3500億円、300億円と、前回から据え置き
- 残存5-10年の応札倍率2.22倍に低下
東京外国為替市場ではドル・円相場が反落。トランプ米政権の経済対策の詳細が発表されず、前日の米株高の反動から米株価指数先物が下落する中、ドル売り・円買いが優勢となった。週明けに急落する前の1ドル=105円台後半までいったん戻したことで、国内輸出企業などの売りを指摘する声もあった。
FXプライムbyGMOの上田真理人常務取締役
- 米株先物が3%下げているのを見ながら円買いプラスドル売り。105円台は、実需も出たし相当遠い感じになった
- 米国の減税策に関しては、きのうのうちにかなり織り込まれてしまったので、明らかに経済を活性化するよほどのものが出ないと株を買うという形にもならない
- きのう飛ばした分だけ参加者は少ない感じ。そうした中で、ドル・円が今日中に再び102円を見ても不思議ではない
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