[ロンドン 30日 ロイター] - 欧州外為市場ではドルが下落。良好な経済指標が材料視されたほか、米連邦準備理事会(FRB)がより緩やかなペースで金融引き締めを進めるという観測が高まる中、リスク選好度が回復した。
主要6通貨に対するドル指数は0.3%安の101.440。5月は1.5%超下落と、月間としては過去5カ月で初の下げとなる見通し。年初来では約6%上昇している。
30日は米株式・債券市場がメモリアルデーの祝日で休場となっており、薄商いとなることが見込まれる。
オフショア中国人民元は対ドルで最大1%上昇。その後は0.7%高の6.6771元で推移した。中国上海市が、2カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を6月1日深夜に解除すると発表したことが好感された。
MUFGの為替アナリストはノートで「米消費者および中国経済の動向が、投資家のリスク意欲拡大に向けた重要な決定要因となるだろう」と指摘した。
世界経済成長見通しを見極めようと、市場では週内に発表される米雇用統計や中国製造業PMIなどが注目されている。
ユーロ/ドルは0.3%高の1.07700ドル。一時、月間最高値の1.07810ドルを付けたものの、ドイツ消費者物価指数(CPI)速報値を受け、上値は重かった。
独連邦統計庁が30日発表した5月の欧州連合(EU)基準(HICP)のCPI速報値が前年同月比8.7%上昇と、1973─74以来約50年ぶりの高水準を記録した。
円は対ドルで0.5%安の127.715円。
ポンドは0.1%高の1.26405ドルだった