[東京 13日 ロイター] - 米国時間にドルが一時147.66円まで上昇し、円相場は1990年8月以来、約32年ぶりに安値を更新した。9月の米消費者物価(CPI)が市場予想を上回り、米金利が上昇、ドルを押し上げている。
その後にドルは瞬間的に146円半ばまで下落。足元は147円半ばまで戻して高値圏で推移している。節目を突破したことで、政府・日銀によるレートチェックや為替介入への警戒感が強まっている。
「日本政府は米国時間では委託介入しないのではないか。米国にとって輸入インフレを阻止するためのドル高を修正することになるためだ」と、岡三証券・投資情報部シニアストラテジスト、武部力也氏は指摘する。「あすの東京時間に5・10日のドル需要が一巡した後でもドル高・円安が止まらないようであれば、円買い介入に踏み切る可能性があるとみている」と話す。
9月の米CPI(季節調整済み)は前月比0.4%上昇し、8月のプラス0.1%から上げ幅が加速した。ロイター調査によるエコノミスト予想は0.2%上昇だった。前年比は8.2%上昇(予想8.1%上昇)。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.6%上昇(同0.5%上昇)、前年比6.6%上昇(同6.5%上昇)だった。
市場予想を上回るCPIを受け、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げ継続観測が強まる中、米10年国債利回りは4%台に上昇。米株価も大幅安となっている。