ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月22日放送において、神戸物産 (TOKYO:3038)を取り上げている。
主な内容は以下の通り。
■事業概要 同社は「業務スーパー」を主力事業として手掛ける。
今後更なる成長と収益基盤の安定化を図るため、太陽光発電、海外事業など新規事業の育成に注力している。
業務スーパー事業は、連結売上高の8 割強、営業利益の9 割強を占める同社の主力事業となる。
同社は「業務スーパー」のFC 本部として商品の企画、開発及び調達等を行っている。
業務用をメインとした商品開発からスタートし、中間流通マージンを除いた直仕入などによるローコストオペレーションにより「品質の良い商品をベストプライス」で提供する食品スーパーとして2000 年以降成長し、キャッシュ&キャリー型店舗では国内シェア約67% と国内トップ企業としてその地位を確立している。
主なFC 企業としてはG-7 ホールディングス (TOKYO:7508)の子会社のG-7 スーパーマート、オーシャンシステム {{|0:}} などがある。
取扱商品はナショナルブランド(以下、NB) 商品とプライベートブランド(以下、PB) 商品があり、生鮮食料品に関しての仕入れ調達は行っておらず、各FC 店舗の裁量によりテナントとして入ってもらうスタイルを取っている。
PB 商品に関しては、国内外のグループ会社22 工場(うち中国2 工場) に加えて、海外の約350 の協力工場から調達している。
自社グループの調達比率は全体の約10%、残り約90% がメーカーからの仕入れとなっている。
また、輸入比率は約20% で、そのうち半分を中国、残り半分を欧米、アセアンなど40 ヶ国以上の国から直輸入している。
特に数年前からは、欧州やアセアンなど中国以外の国からの輸入を強化している。
商品としては各国の代表商品となるようなもので、イタリアならパスタやトマトソース、ベルギーではチョコレートやワッフルといったように、消費者にとって魅力のある商材を発掘し、輸入商品の仕入れを強化していることが特徴となっている。
■14年10月期業績に関して 2014 年12 月15 日付で発表された2014 年10 月期の連結業績は、売上高が前期比19.2% 増の214,028 百万円、営業利益が同164.7% 増の5,178 百万円、経常利益が同60.1%増の6,424 百万円、当期純利益が同11.2% 減の2,601 百万円となった。
売上高は創業来の連続増収、営業利益、経常利益は2 期ぶりの最高益を更新した。
主力の業務スーパー事業が、新規出店効果に加えて消費増税後の顧客の節約志向の高まりを追い風にして、好調に推移したのが主因だ。
営業外収支は、為替差益やデリバティブ評価益の減少、借入金増に伴う金融収支の悪化を主因として前期比810 百万円悪化した。
また、当期純利益が減益となったが、これは特別損益の悪化(投資有価証券売却益の減少及び減損損失の増加) に加えて、ジー・コミュニケーショングループの収益改善に伴う法人税の増加により、実効税率が32.1% から46.8% に上昇したこと、また、少数株主利益が28 百万円から556 百万円に増加したことなどが要因となっている。
業務スーパー事業の売上高は前期比10.2% 増の177,562 百万円、営業利益は同47.9% 増の6,121 百万円となった。
関東エリアを中心に新規出店を進めた結果、総店舗数が前期末比27 店舗増の685 店舗と順調に拡大したことに加えて、既存店売上高が前期比5.5% 増と堅調に推移したことが増収要因となった。
特に4 月の消費増税以降、顧客ニーズの変化を迅速にキャッチし、ボリューム品を中心とした値下げセールを実施したことが客足数の伸びにつながった。
また、顧客ニーズに対応したPB 商品の開発や輸入商品の増強を進めたこと、店舗の売り場づくりに関しても棚割りの見直しや、POP などの販促物を効果的に配置したことなどが売上増につながった。
■15年10月期見通し 2015 年10 月期の連結業績は、売上高が前期比4.2% 増の223,000 百万円、営業利益が同17.8% 増の6,100 百万円、経常利益は当初14%の減益を見込んでいたが、10日に上方修正し同12%増の7,200 百万円、当期純利益が同1.9%増の2,650 百万円となる見通し。
主力の業務スーパー事業では、出店店舗数25 ~ 30 店舗を予定しているほか、既存店売上高も増収を見込んでいる。
営業利益に関しては、増収効果に加えて製販一体の体制作りを一段と強化していくことで2ケタ増益を目指していく。
店舗の売り場づくりの見直しによる売上増効果も引き続き見込まれることから、同事業の上乗せ余地は大きいと言えよう。
■中期経営計画 同社は中期計画として2017 年10 月期に連結売上高300,000 百万円、経常利益15,000百万円を目標として打ち出した。
売上高は前期実績に対して1.4 倍、経常利益は2.9 倍の水準に拡大することになる。
主力の業務スーパー事業の成長に加えて、エコ再生エネルギー事業がけん引していくことになる。
■業務スーパー事業 業務スーパー事業では年間25 ~ 30 店舗の出店を行い、既存店ベースの売上拡大も図りながら、2017 年10 月期には売上高で約220,000 百万円、年平均7% 程度の売上成長を見込んでいる。
また、利益率に関しては自社グループ商品や輸入品の比率をあげていくことで、営業利益率5% 程度に近づけていくことを目標としている(前期実績3.4%)。
輸入品に関しては低価格品を輸入するのではなく、各国を代表する魅力的な商品を発掘し、積極的に仕入れていくこと、またイスラム教に対応したハラール対応商品を強化していくことで、同業他社との差別化戦略とする。
特に、ハラール商品のアイテム数は現在100 アイテム以上と業界トップの品揃えを誇っており、イスラム教在留外国人や観光客などの来客数も増加傾向にあると言う。
ハラール商品に関しては、将来的に機内食やホテルなどBtoB 取引でも条件が合えば広げていきたい意向だ。
また、同社は国内の業務スーパー店舗数に関して1,000 店舗を目標として掲げている。
出店に関しては5 万人商圏で1 店舗を目安としているが、既存店の売上を伸ばし、収益を拡大していくことが、目標を達成していくための重要課題と認識しており、商品戦略だけでなく、売り場づくりや販促施策なども含めた既存店での売上拡大を今後も積極的に取り組んでいく方針だ。
■エコ再生エネルギー事業 今後3 年間で最も大きい成長を見込んでいるのは、エコ再生エネルギー事業となる。
太陽光発電事業で355MW の能力を整備していく計画となっているほか、地熱発電やバイオマス発電など再生エネルギー事業を立ち上げていく。
また、地熱を利用した温浴施設や温水ハウス事業など周辺事業も展開していく予定となっている。
ただ、3 年で計画通り全ての案件が稼働するかどうかは流動的となる。
工事許可が下りるスケジュールや、工事が始まっても土地の造成など当初の見込みよりも時間がかかるケースもしばしばあるためだ。
また今後、固定価格買取制度の運用見直しによって、収益性の見積もり前提が変わる可能性も否定できない。
同社ではこうした変動要素がでた場合は、収益性を重視し、採算に合わないと判断すれば着工などを見送るケースが出てくる可能性もあるとしている。
一方、地熱発電事業は現在、大分県九重町で進めている。
地熱発電が可能とみられる用地を段階的に取得しており、井戸を掘る工事を行っている。
電力当たりの設備投資規模は太陽光発電の2.5 ~ 3 倍と大きいが、24 時間発電するメリットがあり、計画通り地熱発電できる井戸を掘ることができれば、収益性は太陽光発電よりも高くなる計算だ。
発電能力としては20MW 規模を計画している。
また、九重町では地熱を利用した温浴施設も計画している。
温浴施設に関しては世界最大規模の施設を計画しており、2015 年夏の開園を予定している。
以上、エコ再生エネルギー事業に関しては中期的に100,000 百万円を超える規模の設備投資が必要となる見込みで、同社では資金調達に関して銀行からの借入金や社債発行など様々な検討を行っている。
■海外事業 中長期的な経営戦略として、海外事業にも今後本格的に取り組んでいく方針を打ち出している。
グループ全体の収益成長と収益基盤の安定性を高めるためには、3つのコア事業が必要と考えており、業務スーパー事業、エコ再生エネルギー事業に続く、第3 の事業として海外事業の拡大が掲げられた。
国内では人口の減少とともに経済成長の伸びが見込めない中で、長期的に成長を続けていくためには海外市場への進出が必要不可欠であるためで、また、海外事業の拡大により外貨建ての売上高を拡大することで為替変動リスクを和らげ、収益の安定性を高めるという効果も狙っている。
海外進出の第1弾として、2014年10月に米国ニューヨーク州のマンハッタン市街にニューヨーク最大級の和食レストラン1号店となる「しゃぶしゃぶ神戸Midtown 店」をオープンした。
同店舗では「しゃぶしゃぶ」に「居酒屋」のメニューを加え、「『本物の和食』を世界のお客様に提供する」というコンセプトで出店した。
オープン後の客足は順調な様子で、今後、ニュージャージー州の郊外にも直営で1店舗出店し、事業モデルを構築したあと、FC 展開を進めていく計画となっている。
今後、和食レストラン事業では欧米を中心に積極展開していくことを考えている。
なお、アジアに関してはグループ会社のジー・テイストがインドネシアなどに既に進出しており、同社が中心となって今後も展開していくことが予想される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送
主な内容は以下の通り。
■事業概要 同社は「業務スーパー」を主力事業として手掛ける。
今後更なる成長と収益基盤の安定化を図るため、太陽光発電、海外事業など新規事業の育成に注力している。
業務スーパー事業は、連結売上高の8 割強、営業利益の9 割強を占める同社の主力事業となる。
同社は「業務スーパー」のFC 本部として商品の企画、開発及び調達等を行っている。
業務用をメインとした商品開発からスタートし、中間流通マージンを除いた直仕入などによるローコストオペレーションにより「品質の良い商品をベストプライス」で提供する食品スーパーとして2000 年以降成長し、キャッシュ&キャリー型店舗では国内シェア約67% と国内トップ企業としてその地位を確立している。
主なFC 企業としてはG-7 ホールディングス (TOKYO:7508)の子会社のG-7 スーパーマート、オーシャンシステム {{|0:}} などがある。
取扱商品はナショナルブランド(以下、NB) 商品とプライベートブランド(以下、PB) 商品があり、生鮮食料品に関しての仕入れ調達は行っておらず、各FC 店舗の裁量によりテナントとして入ってもらうスタイルを取っている。
PB 商品に関しては、国内外のグループ会社22 工場(うち中国2 工場) に加えて、海外の約350 の協力工場から調達している。
自社グループの調達比率は全体の約10%、残り約90% がメーカーからの仕入れとなっている。
また、輸入比率は約20% で、そのうち半分を中国、残り半分を欧米、アセアンなど40 ヶ国以上の国から直輸入している。
特に数年前からは、欧州やアセアンなど中国以外の国からの輸入を強化している。
商品としては各国の代表商品となるようなもので、イタリアならパスタやトマトソース、ベルギーではチョコレートやワッフルといったように、消費者にとって魅力のある商材を発掘し、輸入商品の仕入れを強化していることが特徴となっている。
■14年10月期業績に関して 2014 年12 月15 日付で発表された2014 年10 月期の連結業績は、売上高が前期比19.2% 増の214,028 百万円、営業利益が同164.7% 増の5,178 百万円、経常利益が同60.1%増の6,424 百万円、当期純利益が同11.2% 減の2,601 百万円となった。
売上高は創業来の連続増収、営業利益、経常利益は2 期ぶりの最高益を更新した。
主力の業務スーパー事業が、新規出店効果に加えて消費増税後の顧客の節約志向の高まりを追い風にして、好調に推移したのが主因だ。
営業外収支は、為替差益やデリバティブ評価益の減少、借入金増に伴う金融収支の悪化を主因として前期比810 百万円悪化した。
また、当期純利益が減益となったが、これは特別損益の悪化(投資有価証券売却益の減少及び減損損失の増加) に加えて、ジー・コミュニケーショングループの収益改善に伴う法人税の増加により、実効税率が32.1% から46.8% に上昇したこと、また、少数株主利益が28 百万円から556 百万円に増加したことなどが要因となっている。
業務スーパー事業の売上高は前期比10.2% 増の177,562 百万円、営業利益は同47.9% 増の6,121 百万円となった。
関東エリアを中心に新規出店を進めた結果、総店舗数が前期末比27 店舗増の685 店舗と順調に拡大したことに加えて、既存店売上高が前期比5.5% 増と堅調に推移したことが増収要因となった。
特に4 月の消費増税以降、顧客ニーズの変化を迅速にキャッチし、ボリューム品を中心とした値下げセールを実施したことが客足数の伸びにつながった。
また、顧客ニーズに対応したPB 商品の開発や輸入商品の増強を進めたこと、店舗の売り場づくりに関しても棚割りの見直しや、POP などの販促物を効果的に配置したことなどが売上増につながった。
■15年10月期見通し 2015 年10 月期の連結業績は、売上高が前期比4.2% 増の223,000 百万円、営業利益が同17.8% 増の6,100 百万円、経常利益は当初14%の減益を見込んでいたが、10日に上方修正し同12%増の7,200 百万円、当期純利益が同1.9%増の2,650 百万円となる見通し。
主力の業務スーパー事業では、出店店舗数25 ~ 30 店舗を予定しているほか、既存店売上高も増収を見込んでいる。
営業利益に関しては、増収効果に加えて製販一体の体制作りを一段と強化していくことで2ケタ増益を目指していく。
店舗の売り場づくりの見直しによる売上増効果も引き続き見込まれることから、同事業の上乗せ余地は大きいと言えよう。
■中期経営計画 同社は中期計画として2017 年10 月期に連結売上高300,000 百万円、経常利益15,000百万円を目標として打ち出した。
売上高は前期実績に対して1.4 倍、経常利益は2.9 倍の水準に拡大することになる。
主力の業務スーパー事業の成長に加えて、エコ再生エネルギー事業がけん引していくことになる。
■業務スーパー事業 業務スーパー事業では年間25 ~ 30 店舗の出店を行い、既存店ベースの売上拡大も図りながら、2017 年10 月期には売上高で約220,000 百万円、年平均7% 程度の売上成長を見込んでいる。
また、利益率に関しては自社グループ商品や輸入品の比率をあげていくことで、営業利益率5% 程度に近づけていくことを目標としている(前期実績3.4%)。
輸入品に関しては低価格品を輸入するのではなく、各国を代表する魅力的な商品を発掘し、積極的に仕入れていくこと、またイスラム教に対応したハラール対応商品を強化していくことで、同業他社との差別化戦略とする。
特に、ハラール商品のアイテム数は現在100 アイテム以上と業界トップの品揃えを誇っており、イスラム教在留外国人や観光客などの来客数も増加傾向にあると言う。
ハラール商品に関しては、将来的に機内食やホテルなどBtoB 取引でも条件が合えば広げていきたい意向だ。
また、同社は国内の業務スーパー店舗数に関して1,000 店舗を目標として掲げている。
出店に関しては5 万人商圏で1 店舗を目安としているが、既存店の売上を伸ばし、収益を拡大していくことが、目標を達成していくための重要課題と認識しており、商品戦略だけでなく、売り場づくりや販促施策なども含めた既存店での売上拡大を今後も積極的に取り組んでいく方針だ。
■エコ再生エネルギー事業 今後3 年間で最も大きい成長を見込んでいるのは、エコ再生エネルギー事業となる。
太陽光発電事業で355MW の能力を整備していく計画となっているほか、地熱発電やバイオマス発電など再生エネルギー事業を立ち上げていく。
また、地熱を利用した温浴施設や温水ハウス事業など周辺事業も展開していく予定となっている。
ただ、3 年で計画通り全ての案件が稼働するかどうかは流動的となる。
工事許可が下りるスケジュールや、工事が始まっても土地の造成など当初の見込みよりも時間がかかるケースもしばしばあるためだ。
また今後、固定価格買取制度の運用見直しによって、収益性の見積もり前提が変わる可能性も否定できない。
同社ではこうした変動要素がでた場合は、収益性を重視し、採算に合わないと判断すれば着工などを見送るケースが出てくる可能性もあるとしている。
一方、地熱発電事業は現在、大分県九重町で進めている。
地熱発電が可能とみられる用地を段階的に取得しており、井戸を掘る工事を行っている。
電力当たりの設備投資規模は太陽光発電の2.5 ~ 3 倍と大きいが、24 時間発電するメリットがあり、計画通り地熱発電できる井戸を掘ることができれば、収益性は太陽光発電よりも高くなる計算だ。
発電能力としては20MW 規模を計画している。
また、九重町では地熱を利用した温浴施設も計画している。
温浴施設に関しては世界最大規模の施設を計画しており、2015 年夏の開園を予定している。
以上、エコ再生エネルギー事業に関しては中期的に100,000 百万円を超える規模の設備投資が必要となる見込みで、同社では資金調達に関して銀行からの借入金や社債発行など様々な検討を行っている。
■海外事業 中長期的な経営戦略として、海外事業にも今後本格的に取り組んでいく方針を打ち出している。
グループ全体の収益成長と収益基盤の安定性を高めるためには、3つのコア事業が必要と考えており、業務スーパー事業、エコ再生エネルギー事業に続く、第3 の事業として海外事業の拡大が掲げられた。
国内では人口の減少とともに経済成長の伸びが見込めない中で、長期的に成長を続けていくためには海外市場への進出が必要不可欠であるためで、また、海外事業の拡大により外貨建ての売上高を拡大することで為替変動リスクを和らげ、収益の安定性を高めるという効果も狙っている。
海外進出の第1弾として、2014年10月に米国ニューヨーク州のマンハッタン市街にニューヨーク最大級の和食レストラン1号店となる「しゃぶしゃぶ神戸Midtown 店」をオープンした。
同店舗では「しゃぶしゃぶ」に「居酒屋」のメニューを加え、「『本物の和食』を世界のお客様に提供する」というコンセプトで出店した。
オープン後の客足は順調な様子で、今後、ニュージャージー州の郊外にも直営で1店舗出店し、事業モデルを構築したあと、FC 展開を進めていく計画となっている。
今後、和食レストラン事業では欧米を中心に積極展開していくことを考えている。
なお、アジアに関してはグループ会社のジー・テイストがインドネシアなどに既に進出しており、同社が中心となって今後も展開していくことが予想される。
ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送