Amanda Cooper
[ロンドン 1日 ロイター] - 暗号資産ビットコインは1日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を前に一時5.6%下落し、2月下旬以来の安値を付けた。
直近は4.8%安の5万7001ドル。イーサも3.6%下げ2857ドルと、こちらも2月以来の安値となった。
ビットコインは高値を更新し続け一時7万ドルを超えた。しかし米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を背景に利益を確定する動きが出て、4月は約16%下落し2022年後半以降で最大の下げを記録した。
3月に記録した7万3803ドルを22%下回っており、チャート上では弱気相場入りした。ただ年初から35%上昇しており、1年前の2倍の水準となっている。
フィネキアのリサーチアナリスト、マッテオ・グレコ氏は「最近の下降トレンドは22─23年の下降期に市場に参入した投資家による利益確定売りが増えたことだ」と分析した。
今年の初めにビットコイン上場信託投資(ETF)に投資し、大幅な価格上昇を経験した投資家の売りも一因と指摘した。
米国の10大現物ビットコインETFは1月の上場以来、週間ベースで最大の資金流出に直面している。LSEGのデータによると、今週の流出額は最大4億9600万ドルとなった。
FXプロのシニア市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ氏は、チャート上ではビットコインの下落は新たな段階に入りつつあると述べた。
5月はビットコインにとって季節的に弱い月であるだけでなく、過去数週間の価格下落により5万5700ドルと5万1000─5万2000ドルが視野に入ったと指摘した。
「しかし今日のFOMCの発表と3日の米雇用統計は、下落傾向を加速させるか反転させる可能性が十分にある」との見方を示した。