フランスの政治情勢を受けてユーロが弱含んだため、英ポンドは対ユーロで約2年ぶりの高水準に急騰した。ユーロは2022年8月以来の安値となる84.53ペンスまで下落した。この下落は、エマニュエル・マクロン仏大統領が欧州連合（EU）投票で極右勢力が敗北したことを受け、臨時議会選挙の実施を発表したことによる。
ポンドは対ユーロでは上昇したが、対米ドルでは下落し、1.2698ドルで取引された。これは金曜日に0.5％下落したことに続くもので、予想外に強い米雇用統計の影響を受け、投資家は米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げ予想を2024年後半に修正した。
ユーロの下落は他のフランスやユーロ圏の資産にも影響を与え、最終的には対ポンドで0.37%下落の84.59ペンスとなった。欧州議会選挙では、中道・リベラル・社会党が過半数を維持したが、ユーロ懐疑的な民族主義グループの支持が顕著に伸びた。この変化は、欧州連合（EU）内の政策決定に影響を与える可能性についての議論を呼び起こした。
マクロン大統領は6月30日に第1回目の選挙を行うことを決定したが、これは政治的主導権を取り戻すための試みである。アナリストたちは、労働党が過半数を占めると予想される英国の総選挙と、大統領と対立する議会が誕生するかもしれないフランスの選挙を対比させながら、欧州の政治情勢を注視している。
INGのグローバル・マーケット・ヘッドはこの状況について、短期的にはユーロがポンドに対してさらに弱くなる可能性があるとコメントした。しかし、同氏は来週木曜日に開かれるイングランド銀行の会合で、市場が8月の利下げに備える可能性があるため、ポンドは反転上昇すると予想している。
一方、英国市場の最大の焦点は、火曜日に発表される4月の英国賃金データである。このデータは、イングランド銀行（英中央銀行）の次回会合に先立つものであり、サービス部門のインフレが続いているため政策変更の可能性が低いと考えられている時期に発表されるため、特に重要である。
さらに、本日発表された最近の業界調査によると、英国の人材採用市場は回復の兆しを見せており、景気見通しに新たな一面を加えている。
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