英ポンドは対ユーロで5週連続の上昇となり、2022年8月下旬以来の水準に達した。この急騰は、フランスの政治的混乱を受けてユーロが圧力に直面していることによる。先日の欧州連合（EU）議会選挙で極右勢力が勝利したことで、エマニュエル・マクロン仏大統領は予想外の選挙を発表し、市場を不安に陥れた。
ポンドの対ユーロ相場は、英国の金利がユーロ圏の金利を上回り続けるという予想によって支えられている。木曜日現在、ポンドは対米ドルで1.2798ドル、対ユーロで84.44ペンスと安定した値動きを維持している。
ポンドは、水曜日に発表された米国の5月のインフレ率が予想以上に急速に冷え込んだというデータにも影響された。しかし、米連邦準備制度理事会（FRB）が金利、成長率、インフレ率の見通しを発表したことで、ドル売りは弱まった。
7月4日に予定されている総選挙に向けた労働党のマニフェストが発表されたにもかかわらず、ポンドの値動きはほとんどなかった。現在の英国の経済データは、賃金の伸びは堅調を維持しているものの、経済成長は4月に止まっており、まちまちの様相を呈している。
市場トレーダーは、イングランド銀行（BOE）が今年少なくとも1回の利下げを実施すると予想しているが、2回目の利下げの可能性については予想が分かれている。先物市場では現在、9月までに利下げが実施される確率は75％で、11月までに利下げが実施されるとの見方が強い。
ポンドは対ユーロで好調なだけでなく、対ドルでも底堅さを見せている。ポンドは今年、主要通貨の中で唯一対ドルで上昇し、0.5％の小幅な上昇にとどまった。貿易加重ベースでは、ポンドは現在、2016年6月のブレグジット国民投票以降で最も強い。
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