■今後の見通し
1. 2018年12月期の業績見通し
ワールドホールディングス (T:2429)の2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比14.1%増の145,137百万円、営業利益で同3.2%増の7,288百万円、経常利益で同1.1%増の7,083百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.5%増の4,635百万円と期初計画を据え置いている。
売上高は9期連続の増収、当期純利益は8期連続の増益となる見通しだ。
同社では当期より四半期ベースの業績予想も開示している。
第3四半期までの計画を積み上げると売上高は前年同期比17.6%増の98,434百万円、営業利益は同1.9%増の3,462百万円となる計算だ。
第2四半期までの進捗率が売上高で44.4%、営業利益で27.5%と低水準だが、第3四半期以降売上、利益とも拡大する計画となっている。
主に不動産ビジネスで比較的規模の大きい物件販売が予定されていることや、人材・教育ビジネスについても第2四半期までに実施した先行投資が収穫期に入り、下期は売上高、利益ともに拡大する見込みとなっていることが要因だ。
情報通信ビジネスやその他については利益ベースで計画をやや下回る可能性はあるものの、全体で見れば会社計画を達成できるものと弊社では見ている。
2018年12月期はファクトリー事業が2ケタ増収増益となり業績のけん引役に
2. 事業セグメント別見通し
(1) ファクトリー事業
ファクトリー事業の売上高は前期比11.5%増の46,435百万円、セグメント利益は同26.2%増の3,264百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で50.2%、セグメント利益で42.6%となっているが、下期も物流分野や電気・電子分野を中心に需要が旺盛で売上高に関しては計画を上回る可能性が高い。
特に、物流分野については期初段階で前期比10%増程度と保守的に見込んでいたが、新拠点の稼働が順調で年末商戦のピークに向けて人員も追加で増員することから、増収率は20%を超える見通しだ。
また、電気・電子分野でもコンデンサやモーターなど増産が続いている分野への派遣需要が拡大する。
高スキル人材の配属等によるチャージアップも継続して進んでいるようだ。
セグメント利益率に関しては物流分野の構成比が上昇するため、会社計画の7.0%を下回る可能性はあるが、増収効果によりセグメント利益は計画達成が十分可能と見られる。
(2) テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比9.7%増の13,338百万円、セグメント利益は同2.2%増の1,291百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で52.7%、セグメント利益で46.8%となる。
ファクトリー事業同様、売上高については下期も好調に推移し、通期で計画を上回る可能性が高い。
セグメント利益は人材採用・育成費を下期にどの程度投下するかにもよるが、上期に採用した新卒・未経験者が戦力化し始めていることから、通期計画の達成は可能と見られる。
(3) R&D事業
R&D事業の売上高は前期比14.3%増の7,420百万円、セグメント利益は同9.3%増の693百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で45.0%、セグメント利益で35.6%とやや計画を下振れている。
下期も化学・合成化学系を中心とした優秀な人材の採用と既存社員のスキルアップによって、受注拡大に取り組むほか、DOTワールドでは第2四半期までに実施した組織体制の見直し等の構造改革の効果によって下期の収益回復が見込まれており、通期計画の達成を目指していく考えだ。
(4) セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比6.3%減の5,380百万円、セグメント利益は同63.5%減の80百万円を計画している。
第2四半期までの進捗率は売上高で34.3%と低く、損益の改善もやや遅れている。
ただ、前述したように既に事業構造改革は終えており、単月ベースでの黒字化が見えていることから、今後の受注強化によって通期での黒字達成を目指し、2019年12月期には増収増益に転じるものと予想される。
(5) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比17.4%増の57,624百万円、セグメント利益は同14.3%減の3,974百万円となる見通し。
物件の引渡が売上利益の計上となることから第2四半期までの進捗率は売上高で35.4%、セグメント利益で19.7%と低水準となっているが、下期に新築分譲マンションや事業用地の売却を予定しており、通期計画は達成する見通しだ。
デベロップメント関連において、下期引渡し予定の分譲マンションはほぼ完売、事業用地も順次契約が進んでいる。
リノベーション関連においても前期比1.5倍のペースと仕入と引渡が順調に推移している。
また、戸建住宅関連においては、札幌中心であった豊栄建設(株)が東北エリアの新たな進出拠点として2018年3月に仙台に営業所を開設。
仙台には長年、デベロップメント事業を展開してきた(株)ワールドアイシティがあり、土地の仕入に関するネットワークが構築されていることから、今後グループ内でのシナジーを生かして事業規模を拡大していく考えだ。
(6) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比26.0%増の11,548百万円、セグメント利益は同820.0%増の230百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で58.4%、セグメント利益で31.7%となる。
売上高に関しては計画を超過するものの、利益面では下回る可能性がある。
通信キャリアの販売政策で、店舗網を優良店舗に集約化していく意向があり、同社においても投資優先で、スクラップ&ビルドを継続し、より強固な体制を整える必要が出てきたためだ。
同社では少なくともあと2年程度は、携帯電話販売代理店の生存競争が続くと見ている。
2020年以降は5Gへのシフトが進むため、携帯電話販売も活性化することが予想されており、同社は残存者メリットを享受すべく、今は足下の体制を固める時期と考えている。
(7) その他事業
その他事業の売上高は前期比18.7%増の3,391百万円、セグメント損失は125百万円(前期は272百万円の損失)となる見通し。
第2四半期までの売上高の進捗率は49.4%とほぼ計画通りに進捗している。
ただ、利益については若干損失が膨らむ可能性がありそうだ。
2019年12月期の入園者数増加に向けて、今下期に農業公園で集客につながる施設の設置など設備投資を計画しているためだ。
同社では設備投資により入園者数を増やすとともに、顧客当たり単価を引き上げる取り組みを進めていくことで、早期の黒字化を目指していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
1. 2018年12月期の業績見通し
ワールドホールディングス (T:2429)の2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比14.1%増の145,137百万円、営業利益で同3.2%増の7,288百万円、経常利益で同1.1%増の7,083百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.5%増の4,635百万円と期初計画を据え置いている。
売上高は9期連続の増収、当期純利益は8期連続の増益となる見通しだ。
同社では当期より四半期ベースの業績予想も開示している。
第3四半期までの計画を積み上げると売上高は前年同期比17.6%増の98,434百万円、営業利益は同1.9%増の3,462百万円となる計算だ。
第2四半期までの進捗率が売上高で44.4%、営業利益で27.5%と低水準だが、第3四半期以降売上、利益とも拡大する計画となっている。
主に不動産ビジネスで比較的規模の大きい物件販売が予定されていることや、人材・教育ビジネスについても第2四半期までに実施した先行投資が収穫期に入り、下期は売上高、利益ともに拡大する見込みとなっていることが要因だ。
情報通信ビジネスやその他については利益ベースで計画をやや下回る可能性はあるものの、全体で見れば会社計画を達成できるものと弊社では見ている。
2018年12月期はファクトリー事業が2ケタ増収増益となり業績のけん引役に
2. 事業セグメント別見通し
(1) ファクトリー事業
ファクトリー事業の売上高は前期比11.5%増の46,435百万円、セグメント利益は同26.2%増の3,264百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で50.2%、セグメント利益で42.6%となっているが、下期も物流分野や電気・電子分野を中心に需要が旺盛で売上高に関しては計画を上回る可能性が高い。
特に、物流分野については期初段階で前期比10%増程度と保守的に見込んでいたが、新拠点の稼働が順調で年末商戦のピークに向けて人員も追加で増員することから、増収率は20%を超える見通しだ。
また、電気・電子分野でもコンデンサやモーターなど増産が続いている分野への派遣需要が拡大する。
高スキル人材の配属等によるチャージアップも継続して進んでいるようだ。
セグメント利益率に関しては物流分野の構成比が上昇するため、会社計画の7.0%を下回る可能性はあるが、増収効果によりセグメント利益は計画達成が十分可能と見られる。
(2) テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比9.7%増の13,338百万円、セグメント利益は同2.2%増の1,291百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で52.7%、セグメント利益で46.8%となる。
ファクトリー事業同様、売上高については下期も好調に推移し、通期で計画を上回る可能性が高い。
セグメント利益は人材採用・育成費を下期にどの程度投下するかにもよるが、上期に採用した新卒・未経験者が戦力化し始めていることから、通期計画の達成は可能と見られる。
(3) R&D事業
R&D事業の売上高は前期比14.3%増の7,420百万円、セグメント利益は同9.3%増の693百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で45.0%、セグメント利益で35.6%とやや計画を下振れている。
下期も化学・合成化学系を中心とした優秀な人材の採用と既存社員のスキルアップによって、受注拡大に取り組むほか、DOTワールドでは第2四半期までに実施した組織体制の見直し等の構造改革の効果によって下期の収益回復が見込まれており、通期計画の達成を目指していく考えだ。
(4) セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比6.3%減の5,380百万円、セグメント利益は同63.5%減の80百万円を計画している。
第2四半期までの進捗率は売上高で34.3%と低く、損益の改善もやや遅れている。
ただ、前述したように既に事業構造改革は終えており、単月ベースでの黒字化が見えていることから、今後の受注強化によって通期での黒字達成を目指し、2019年12月期には増収増益に転じるものと予想される。
(5) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比17.4%増の57,624百万円、セグメント利益は同14.3%減の3,974百万円となる見通し。
物件の引渡が売上利益の計上となることから第2四半期までの進捗率は売上高で35.4%、セグメント利益で19.7%と低水準となっているが、下期に新築分譲マンションや事業用地の売却を予定しており、通期計画は達成する見通しだ。
デベロップメント関連において、下期引渡し予定の分譲マンションはほぼ完売、事業用地も順次契約が進んでいる。
リノベーション関連においても前期比1.5倍のペースと仕入と引渡が順調に推移している。
また、戸建住宅関連においては、札幌中心であった豊栄建設(株)が東北エリアの新たな進出拠点として2018年3月に仙台に営業所を開設。
仙台には長年、デベロップメント事業を展開してきた(株)ワールドアイシティがあり、土地の仕入に関するネットワークが構築されていることから、今後グループ内でのシナジーを生かして事業規模を拡大していく考えだ。
(6) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比26.0%増の11,548百万円、セグメント利益は同820.0%増の230百万円となる見通し。
第2四半期までの進捗率は売上高で58.4%、セグメント利益で31.7%となる。
売上高に関しては計画を超過するものの、利益面では下回る可能性がある。
通信キャリアの販売政策で、店舗網を優良店舗に集約化していく意向があり、同社においても投資優先で、スクラップ&ビルドを継続し、より強固な体制を整える必要が出てきたためだ。
同社では少なくともあと2年程度は、携帯電話販売代理店の生存競争が続くと見ている。
2020年以降は5Gへのシフトが進むため、携帯電話販売も活性化することが予想されており、同社は残存者メリットを享受すべく、今は足下の体制を固める時期と考えている。
(7) その他事業
その他事業の売上高は前期比18.7%増の3,391百万円、セグメント損失は125百万円(前期は272百万円の損失)となる見通し。
第2四半期までの売上高の進捗率は49.4%とほぼ計画通りに進捗している。
ただ、利益については若干損失が膨らむ可能性がありそうだ。
2019年12月期の入園者数増加に向けて、今下期に農業公園で集客につながる施設の設置など設備投資を計画しているためだ。
同社では設備投資により入園者数を増やすとともに、顧客当たり単価を引き上げる取り組みを進めていくことで、早期の黒字化を目指していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)