■業績動向
1. ターニングポイント
コンドーテック (T:7438)は歴史の長い会社だが、近年において2回のターニングポイントが認められる。
90年代に微減を続けた売上高が、2003年3月期をボトムに増加に転じ利益水準を持ち上げたときと、リーマンショック後に、売上高と利益の伸びに加速がついたときである。
最初のターニングポイントは、市況商品の価格上昇もあったが、工場の生産性管理など経営改革が実を結んだためと思われる。
リーマンショック後は、リーマンショックの反動による景気回復に加え、東日本大震災の復興・除染、耐震、商業施設・物流施設、太陽光発電設備などエコ、都市部再開発、高速道路改修、インバウンド向け宿泊施設、そして東京オリンピック・パラリンピックと、同社製商品へのニーズが連鎖していることが要因と考えられる。
また、こうした追い風に対し、同社が積極的に自社生産や販売拠点を強化してきたことも、収益底上げの背景になったと考える。
2018年3月期は利益の伸びがやや低かった
2. 2018年3月期の業績動向
2018年3月期の業績は、売上高52,811百万円(前期比4.8%増)、営業利益3,537百万円(同0.6%増)、経常利益3,655百万円(同1.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,523百万円(同1.0%増)となった。
期初予想に対して、売上高で261百万円の超過達成となったが、営業利益以下各利益段階で74百万円、64百万円、1百万円の未達となった。
公共投資は横ばいを維持したものの、住宅投資が弱含んでいることに加え人手不足がより深刻化するなど建設業界は厳しい状況だったが、ユーザーニーズを的確に捉えた付加価値の高い自社製品の開発や商品調達の強化により売上は順調に伸びた。
一方、輸入商品を中心とする原価の上昇により売上総利益率が低下、販管費を削減したもののカバーできず、利益は未達となった。
産業資材は、売上高30,262百万円(前期比1.4%増)、セグメント利益2,030百万円(同10.2%減)となった。
建築・土木関連のブレース、鉄鋼二次製品、足場吊りチェーン、吊りクランプ、現場用品などが堅調に推移したが、ブルーシート・土のう袋、防災シートが大きく減少した。
全体では価格も数量も伸びたが、商品の原価上昇を販売価格に転嫁できず売上総利益率が低下、運賃や人件費を中心に販管費も増加したため、2ケタ減益となった。
鉄構資材は、売上高14,410百万円(同15.9%増)、セグメント利益1,338百万円(同27.1%増)となった。
インバウンド向け宿泊施設、物流倉庫や工場といった中低層物件の需要増により、鉄骨部材やハイテンションボルト、ブレース、アンカーボルトなど全般に好調に推移し、価格も数量も伸びた。
運賃や人件費などは増加したが、原価上昇圧力がさほど強まらなかったため、2ケタ増益を確保した。
電設資材は、売上高8,138百万円(同0.1%減)、セグメント利益183百万円(同9.5%減)となった。
大口道路照明設備や太陽光発電設備が増加したが、メガソーラー物件や空調・換気扇が減少した。
加えて、競合他社との激しい受注競争が続いていることから売上総利益率が低下、2ケタ近い減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
1. ターニングポイント
コンドーテック (T:7438)は歴史の長い会社だが、近年において2回のターニングポイントが認められる。
90年代に微減を続けた売上高が、2003年3月期をボトムに増加に転じ利益水準を持ち上げたときと、リーマンショック後に、売上高と利益の伸びに加速がついたときである。
最初のターニングポイントは、市況商品の価格上昇もあったが、工場の生産性管理など経営改革が実を結んだためと思われる。
リーマンショック後は、リーマンショックの反動による景気回復に加え、東日本大震災の復興・除染、耐震、商業施設・物流施設、太陽光発電設備などエコ、都市部再開発、高速道路改修、インバウンド向け宿泊施設、そして東京オリンピック・パラリンピックと、同社製商品へのニーズが連鎖していることが要因と考えられる。
また、こうした追い風に対し、同社が積極的に自社生産や販売拠点を強化してきたことも、収益底上げの背景になったと考える。
2018年3月期は利益の伸びがやや低かった
2. 2018年3月期の業績動向
2018年3月期の業績は、売上高52,811百万円(前期比4.8%増)、営業利益3,537百万円(同0.6%増)、経常利益3,655百万円(同1.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,523百万円(同1.0%増)となった。
期初予想に対して、売上高で261百万円の超過達成となったが、営業利益以下各利益段階で74百万円、64百万円、1百万円の未達となった。
公共投資は横ばいを維持したものの、住宅投資が弱含んでいることに加え人手不足がより深刻化するなど建設業界は厳しい状況だったが、ユーザーニーズを的確に捉えた付加価値の高い自社製品の開発や商品調達の強化により売上は順調に伸びた。
一方、輸入商品を中心とする原価の上昇により売上総利益率が低下、販管費を削減したもののカバーできず、利益は未達となった。
産業資材は、売上高30,262百万円(前期比1.4%増)、セグメント利益2,030百万円(同10.2%減)となった。
建築・土木関連のブレース、鉄鋼二次製品、足場吊りチェーン、吊りクランプ、現場用品などが堅調に推移したが、ブルーシート・土のう袋、防災シートが大きく減少した。
全体では価格も数量も伸びたが、商品の原価上昇を販売価格に転嫁できず売上総利益率が低下、運賃や人件費を中心に販管費も増加したため、2ケタ減益となった。
鉄構資材は、売上高14,410百万円(同15.9%増)、セグメント利益1,338百万円(同27.1%増)となった。
インバウンド向け宿泊施設、物流倉庫や工場といった中低層物件の需要増により、鉄骨部材やハイテンションボルト、ブレース、アンカーボルトなど全般に好調に推移し、価格も数量も伸びた。
運賃や人件費などは増加したが、原価上昇圧力がさほど強まらなかったため、2ケタ増益を確保した。
電設資材は、売上高8,138百万円(同0.1%減)、セグメント利益183百万円(同9.5%減)となった。
大口道路照明設備や太陽光発電設備が増加したが、メガソーラー物件や空調・換気扇が減少した。
加えて、競合他社との激しい受注競争が続いていることから売上総利益率が低下、2ケタ近い減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)