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東京外為市場・正午=ドル77円後半、ベイナー米下院議長案の採決見送りで4カ月ぶり安値

発行済 2011-07-29 12:52

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   77.60/62  1.4325/26  111.16/20

午前9時現在 77.82/86  1.4324/28  111.48/53

NY17時現在 77.71/73  1.4328/33 111.33/38

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 [東京 29日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時に比べて

弱含みの77円後半で推移している。一時、77円半ばまで売られ、4カ月ぶり安値を更

新した。難航する米債務上限引き上げ問題に関し、米下院が現地時間28日に予定されて

いたベイナー議長案の採決を見送ったことをきっかけに売りが強まった。月末日のフロー

やレバレッジ規制強化前のドル/円のポジション解消売りが警戒されるなかで、米国での

交渉決着のめどがたたず、ドルの下値不安が強まっている。

 米債務上限引き上げ問題に関するベイナー下院議長案の採決は、当初、米東部夏時間

28日午後5時45分─6時15分(日本時間29日午前6時45分─7時15分)に行

われるはずだった。しかし、いったん延期されたあと、結局、28日の採決は見送られた。

 採決については「まず、下院を通過するかどうかがポイント。下院で可決したあと上院

で否決されるとみているが、下院も通らないとなると、共和党内ですら意見集約ができて

いないということになる。ドル/円の売り材料になりそうだ」(JPモルガン・チェース

銀行チーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏)と注目されていた。

 ただ、ベイナー議長案には歳出削減幅が小さいとして、もともと共和党内の保守派が反

発していた。採決延期決定の段階で、すでに十分な支持が集まっていないとみられていた

ため、採決見送りのインパクトは限られた。採決見送りを受けてグローベックス市場で米

国株先物が一時下げ足を速めたことで、むしろクロス円が売り込まれて77円後半にいた

ドル/円を圧迫。一時77.48円まで売られて4カ月ぶり安値を更新した。ただ、77

円半ばにはオプションの防戦買いが観測されており、いったんはドル売りを吸収して下げ

渋っている。米下院共和党は、現地時間29日午前10時に会合を開いて善後策を協議す

る。

 

 <レバレッジ規制強化前の手仕舞い売りや月末フローを警戒>

 8月1日のレバレッジ規制強化を前にした個人の動きについて、セントラル短資FX営

業本部、武田明久氏は「高いレバレッジでドル買いポジションを持ったまま最後までねば

る個人がかなり残っているという見方が出ている。多くはきょうのうちに手仕舞うとみて

いるが、ドルの下げ局面で個人のドルの手仕舞い売りが狙われると、ドル/円の下げが加

速する可能性がある」(セントラル短資FX営業本部、武田明久氏)との声が聞かれる。

 きょうは月末日にあたるため、もともとまとまったフローが出やすく、ドル/円は需給

面でも不安定だ。ただ、比率のうえでは低レバレッジでポジションを取る個人の方が多く

「レバレッジに余裕のある個人は、きょうも押し目買い志向だ」(武田氏)という。

 <野田財務相「為替介入は無秩序で過度な変動への対応が基本、水準ではない」>

 野田財務相は、29日午前の衆議院財務金融委員会で、為替に関連して「過度な変動が

あれば断固たる対応とるという日本の姿勢は明確」と語り、日銀との連携を打ち出した。

また、為替介入の効果について「一時的に一定の効果がある」と語る一方、介入について

は、水準ではなく無秩序で過度な変動に対応するのが基本だとの認識を示した。

 一方で、民間企業の決算発表が本格化しているが、輸出企業は一般に想定為替レートを

円高修正しても80円までで、足元の水準とのかい離が広がっている。日産自動車

<7201.T>の田川執行役員は27日の会見で「1企業でできることも限界にきている」と指

摘。円高の影響で結果的に減益になったのは「残念でならない」と述べた。

 市場では「ドル/円の下げは緩やかで、過度な変動とはいいにくい」(外資系銀行)と

の声がある一方で「輸出企業への影響を無視はしきれない」(大手銀行)との見方もあり、

介入警戒感は徐々に強まっている。

 

 (ロイターニュース 松平陽子)

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